「実力を証明するには最高のメンバー」が集結

　これは新しい技術を取り入れるという目的だけではないだろう。自身のジムをオープンさせたばかりの皇治だが、身内ばかりではなく外部の人間に“ケツを叩かれに”行っているとも言える。そういう姿勢の人間でなければ、そもそも地元を離れて東京に来ていないはずだ。

「（ウィラサクレックジムの）タイ人の選手たちはタイの家族のために頑張っている。それを見てハングリー精神を取り戻しましたよ。最近は天狗になってた。武尊とやった頃と比べたら練習してなかった。私生活からすべて変えました」

　強がることなくそう言えてしまうのが、皇治が生き残ってきた理由だろう。と同時に「他の3人は脇役なんで」と言うのも忘れないのだが。

　皇治包囲網は「実力を証明するには最高のメンバー」とRIZINの榊原信行CEO。本人は「ずっとデカいこと言って、勝ったり負けたりして叩かれまくってここまできた」と言う。この言葉を“翻訳”すると「結果に飢えている」ということではないか。自分の言葉でトーナメント開催を実現させ、強豪たちを迎え撃ち、アンチが手ぐすね引いて待つ中で、皇治は自分のキャリアを切り拓こうとしている。

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