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“ビッグマウス”皇治は本当に強いのか? RIZIN「ワンナイトトーナメント」は実力をむき出しにする“クソ真面目”な包囲網
posted2021/06/26 11:04
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph by
RIZIN FF Susumu Nagao
主役は皇治、だが同時に“皇治包囲網”でもある。
6月27日、RIZINは丸善インテックアリーナ大阪で大会を開催する。13日の東京ドーム大会に続いてのバンタム級ジャパンGP1回戦4試合だけでなく、主催者はもう一つの“軸”を用意した。それが61kg級キックボクシング・ワンナイトトーナメントだ。
これは昨年、K-1から移籍してきた皇治のアピールによって実現したもの。皇治はK-1時代から対戦相手や対戦を望む相手への挑発を繰り返し、話題を呼ぶことでのし上がってきた選手だ。K-1では武尊、RIZIN初戦では那須川天心と対戦した。いずれも判定負けに終わったが、試合前の“盛り上げ”も含め、日本立ち技格闘技界の2トップと対戦するだけの力、バリューがあると見込まれたのだ。「皇治軍団」と呼ばれる大・応援団のバックアップもある。
まして今大会は地元である大阪での開催だ。キックトーナメントは皇治ありきのものと言っていい。しかし“皇治ありきのトーナメント”は“皇治のためのトーナメント”とイコールではない。
参戦を表明した選手たちは強豪揃いだった
「ピーピー言ってる(自分を批判し、対戦要求している)ヤツかかってこい」
皇治の呼びかけに応えて参戦を表明した選手たちは強豪揃いだった。高橋亮は皇治よりも軽い階級で活躍してきたが、日本トップクラスの選手と引き分け、あるいは勝利を収めてきた。三兄弟全員がキックボクサーということでも知られている。
トーナメント決定以前からSNSで因縁が生まれていたのが白鳥大珠だ。那須川天心と同じTEAM TEPPEN所属。“キックの王子様”と呼ばれたこともあるが、実力、実績の評価はルックスの話題性を上回る。RISEライト級タイトルを獲得すると、2019年にはRISE WORLD SERIES(世界トーナメント)で優勝を果たした。