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「妻との死別」を乗り越えて…なぜ名ブラジル人FWは33年も日本に住み続けるのか「それが私の生き甲斐だ」現横浜FCコーチのアマラオが激白
posted2025/06/27 17:03

FCホリコシ時代のアマラオ。長年にわたって日本でフットボールに関わり続ける理由とは
text by

沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph by
Toshiya Kondo
Jリーグの「記録」よりも「記憶」に残る偉大なブラジル人選手の代表格であるアマラオ。
引退後は母国に帰る選択をする人物が大半の中で、彼が興味深いのは、日本で指導者としてのキャリアを積み上げている点だ。それも後述する、最愛の妻と死別するという悲しみを乗り越えながら――。
あらためてキャリアを簡潔に振り返ると、アマラオはFC東京(東京ガス)で12年間にわたってJFLとJ2、J1でコンスタントにゴールを積み重ねて活躍。その後、当時J2の湘南ベルマーレで1年間、JFLのFCホリコシ(現アルテ高崎)で監督兼任を務めるなど4年間プレーした後、43歳で現役を退いた。
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そこから本格的に指導者の道を歩み、現在は千葉の暁星国際学園で高校生を指導するかたわら、今年1月からは横浜FCでストライカーコーチを務める。アマラオはどんな指導哲学を持ち、さらには日本のフットボールにどんな印象を持っているのかを聞いた。
ジョージ・ウェアのようになってほしいFWとは
――横浜FCでは、どんな選手を指導しているのですか?
「元日本代表の鈴木武蔵やベテランのルキアン、伊藤翔、中堅の山田康太、村田透馬、ミシェル・リマ、森海渡、若手の櫻川ソロモン、駒沢直哉、前田勘太朗らに、FWとしての適切なポジショニング、マークの外し方、シュートの打ち方、アタッカーとしてプレーするうえでの心構えなどを指導している」
――指導哲学は?
「監督が目指す戦術を良く理解したうえで、選手たちの個性を生かしつつ、彼らが能力を最大限に伸ばすことを手助けしたい。フットボールは日々、進化しているから、自分の成功体験にとらわれることなく指導することを心掛けている。選手には、自分でよく考えて練習し、試合でプレーすることを求めている」
――例えばソロモンは、若手の大型ストライカーとして注目を集めています。