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サニブラウンが語る東京五輪での“壮大な目標”「100m、200m、リレー、すべてで金メダルを」
text by
加藤康博Yasuhiro Kato
photograph byUDN SPORTS
posted2021/06/24 06:00
自身の日本記録9秒97は山縣亮太に更新されたが、日本選手権で2冠を見据えるサニブラウン
ちなみにタンブルウィードTCにはリオデジャネイロ五輪で100m銅メダル、200m銀メダルのアンドレ・ドグラス(カナダ)、今季100mで9秒77の世界歴代7位で走っているトレイボン・ブロメル(アメリカ)がおり、練習を共にしている。しかしアドバイスを受けることはあっても、彼らを目標やライバルとして考えたことは一度もないと話す。目指すのはただ自分の走りを磨き、試合で発揮することのみ。彼はそういう選手なのだ。
「スポーツは何ができるのか」と自問自答
この1年半余りで走り以外でもサニブラウンに大きな変化が生まれた。プロに転向し、コロナ禍に見舞われる中、次世代のアスリートへメッセージを送り、自分を応援してくれるファンへの恩返しをするプロジェクトに関わるなど、積極的に周囲とのコミュニケーションを取ってきた。そして多くのスポーツが無観客で行われている中、「スポーツは何ができるのか」と自問自答を繰り返してきたという。
「競技はアスリートだけでは成り立たない。応援してくれるファン、運営してくれるスタッフがいるからこそのスポーツだと身に染みて感じました。だからこそ頑張っている姿を試合で見せることが大切だと思っています」
「絆」と記されたニュースパイクで金メダルを
プロとしての自覚が生まれ、意識も行動も変わったということだろう。そしてそれに周囲も応える。今回の東京五輪、リレーの予選と決勝で履くために契約を結ぶプーマから「HAKIM KIZUNA SPIKE」と銘打たれたカスタムスパイクが提供されることが決まっている。ソールには漢字で「絆」の文字が記され、日の丸もあしらわれた。応援してくれるファン、リレーをともに走る仲間とのまさに「絆」が表現されている。