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サニブラウンが語る東京五輪での“壮大な目標”「100m、200m、リレー、すべてで金メダルを」
posted2021/06/24 06:00
text by
加藤康博Yasuhiro Kato
photograph by
UDN SPORTS
今季、初戦となった5月31日の100mは10秒25。追い風3.6mの条件を考えれば残念なタイムだった感は否めない。しかしサニブラウン・アブデルハキーム(タンブルウィードTC)はその初戦後の代表記者会見でレースの収穫と課題を聞かれ、こう答えた。
「レースに挑むためのウォームアップやそれまでの段階自体も久しぶりだったので、気持ち良く走って、ケガがなければ今回の試合はそれでいいのかなと思っていたので。レース自体はあまり良くはなかったのかなと思うけれど、久しぶりに気持ち良く100mを走れたので自分的にはプラスかなと思います」
試合の少なさを不安視する声もあるが……
その言葉からうかがえるのはポジティブな自己評価。2019年10月のドーハ世界選手権以来約1年7カ月ぶりとなるレースだったが、試運転としては上々といった感触を匂わせた。
すでに100m、200mで東京五輪参加標準記録を突破しており、日本選手権では3位以内に入ればどちらも代表入りが決まるが、100mは今季この1本だけ。200mにいたってはレースを走っておらず、試合の少なさを不安視する声もある。だがその点も彼は意に介していない。
「試合に出て体を作っていくのもありと言えば、ありだと思うんですけど、練習でしっかり走れていれば試合で問題ないというのは2017年のシーズンで分かったので、そこに関しては心配はしていないです」
「ピーキングはあくまでオリンピック」
ちなみに2017年は彼の飛躍の年。日本選手権では本命視されていない中で100m、200mの2冠を獲り、そこから試合を挟むことなく挑んだロンドン世界選手権では200mで史上最年少となる決勝進出を成し遂げ、7位入賞している。大舞台に向けた仕上げ方には確固たる自信があり、それは今も揺らいでいない。