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5年前のEUROヒーローは今<若手編> 当時18歳レナト・サンチェスはフランス経由で復活、ポーランドの新鋭は…
text by
三重野翔大Shodai Mieno
photograph byTakuya Sugiyama
posted2021/06/17 17:04
EURO2016で大活躍したレナト・サンチェス。5年後の今はどんな感じ?
リネカーをして「素晴らしい才能豊かな19歳」
ギャリー・リネカーが自身のTwitterで「素晴らしい才能豊かな19歳」と評したのは、初戦の北アイルランド戦後のこと。
この一戦で左ウイングで先発したカプストカは、果敢な攻撃参加で相手ディフェンスを翻弄した。88分間の出場で83%のパス成功率を記録し、38分には1人で持ち込んで強烈なボレーシュートを放つなど、物怖じしない姿を見せた。
大会を通して4試合に出場。ヤクブ・ブラシュチコフスキやカミル・グロシツキら経験豊富な選手に引けを取らぬ、圧巻のプレーだった。
大会後にはドルトムントら多くのクラブが関心を寄せる中、プレミアリーグ制覇を成し遂げたばかりのレスターに移籍。大舞台でも戦えるメンタルと素質があり、フィジカル面では成長の余地がある。優勝賞金の使い道としては最適のように見えたが――。
レスターではほとんど出場機会に恵まれなかった
レスターのOBからお墨付きを得たカプストカだが、結論から言えばこのステップアップは失敗に終わる。
1年目はU-23チームでの活動が多く、トップチームでの出場機会はFAカップの3試合のみ。シーズン終了後には早くも放出の噂があがった。
2年目はフライブルク、3年目はレスターのオーナー企業がベルギーに所有するOHルーベン(当時2部)にローン移籍した。19-20シーズンはレスターに戻ったが、負傷離脱もあって公式戦出場はゼロだった。
結局トップチームでほとんど出場機会が与えられず、昨夏母国ポーランドの強豪レギア・ワルシャワに完全移籍。そして昨季、リーグ戦25試合に出場し3ゴール4アシスト。リーグ優勝を成し遂げたレギアで、まずまずのパフォーマンスをみせている。
EURO2016開幕前に自身の代理人を変更したというカプストカには、利益重視な新しい代理人に乗せられてレスター移籍を決めたという話がある。元代理人のツェザリー・クチャルスキは「(新しい)エージェントは、出場機会がないと分かっているところに彼を売った。レスターに」と恨み節を吐いた。
ただ結果的にレスターはブレンダン・ロジャースのもと、ここ数年で若返りを図っている。