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“2人のカルバーリョ”の落差がスゴい! プレミアリーグを彩るポルトガル人プレーヤー列伝…ペップが狙う新戦力とは?
posted2021/06/17 11:00
text by
粕谷秀樹Hideki Kasuya
photograph by
Getty Images
1996年2月、「ダニ」ことダニエル・ダ・クルス・カルバーリョがスポルティングからウェストハムにローン移籍してきた。
ポルトガル人初のプレミアリーグ・プレーヤーの誕生だ。期待は大きかった。同世代のルイス・フィーゴやルイ・コスタが一目置いていたのである。
しかし、全体練習を無断欠席。しかもナイトクラブに出入りしているところをメディアに目撃されたため、当時のウェストハムを率いていたハリー・レドナップは、解雇という厳しい処分を下した。
9試合・2得点。ダニのプレミアリーグでのチャレンジはあっさり幕を閉じた。
ファーガソンも「キャリアのなかで最悪の補強」と認める
ウェストハムから移ったアヤックスではヨハン・クライフ監督(当時)が「ポルトガル史上最高の才能」と絶賛するほどだっただけに、自己管理の甘さが惜しまれる。
また、パウロ・フットレ(ウェストハム)、デコ、マニシェ(ともにチェルシー)は旬を逸していたために活躍できず、ビトーリアからマンチェスター・ユナイテッドにやって来たベベは、プレミアリーグの歴史に残る失敗例だ。
4シーズン所属して2試合・無得点。ユナイテッドを率いたアレックス・ファーガソン監督(当時)も、「キャリアのなかで最悪の補強」と認めるほどだ。
一方、アーセナルやフルアムでプレーしたFWルイス・ボアモルテ、奇抜なヘアスタイルとハードな守備でエバートン・サポーターを喜ばせたアベル・ザビエルなどは成功例であり、2007年から7シーズンに渡ってユナイテッドに所属したMFナニも、世界最高峰のリーグでその実力をいかんなく発揮した。
そうそう、吉田麻也(現サンプドリア)とともにサウサンプトンの最終ラインを支えたジョゼ・フォンテも忘れてはならない。