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佐藤寿人が語る“解説者”という仕事の難しさ「今は見たい、知りたいという気持ちの方が強い」今は入浴中もずっとサッカー観戦?
text by
石井宏美Hiromi Ishii
photograph byAsami Enomoto
posted2021/06/15 11:01
解説者として試合に向き合うことで新たな発見があったと語る佐藤寿人。育成にも携わりながら、サッカーへの知見をさらに深めていく
プレーヤーとして相手と対峙していた現役時代には気づかなかったこともあった。
ゴールを奪うなど、目立った動きを見せた選手でなければ、相手の特徴はなかなか見えづらいものだという。解説者として一歩引いた視点から見るからこその新たな発見もある。
「3月に広島と札幌の試合の解説をさせてもらったんですが、札幌の宮澤裕樹選手が印象に残りました。ピッチ上どこにでも顔を出していて、ボールを奪ってはたいたかと思えば、また戻ってプレーをしていて。“えっ、この場面にも宮澤選手がいるの?”と驚いたことが何度もありましたね。もちろん、札幌のチームメイトは彼の良さ、すごさを十分に理解していると思いますが、解説して俯瞰してみたからこそ、気づいた部分でしたね」
本格的に解説の仕事を始めて数カ月。この仕事の難しさを感じる一方で、楽しさ、やりがい、そして自分なりの流儀も見出し始めている。
「できるだけいいプレーは褒めたいし、そのいいプレーを取り上げてもらえるようにしたい。もちろん、ミスがあるスポーツなので、時にはミスを指摘しなければならないとは思いますが、ミスの指摘以上にいいプレーとか、プレーの成功だけじゃない、チームのためにがんばっている、そういう形にならないものを伝えていきたいですね」
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