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【EURO開幕】中村憲剛と佐藤寿人が「死のF組」を斬る! ロナウド擁するポルトガルの不安要素とは?
posted2021/06/10 17:00
text by
石井宏美Hiromi Ishii
photograph by
Asami Enomoto
今回はグループステージ組み合わせ抽選会直後から「死の組」と呼ばれ、世界中から大きな注目を集めるグループFの二人の予想を紹介します。
欧州の実力国のみが出場するEUROで、もちろん簡単にグループステージを突破できる組など存在しないが、とりわけ厳しいグループとなったのがF組だ。前回の王者ポルトガル、2018年W杯ロシア大会を制したフランス、そして最多3度のEURO優勝を誇るドイツと、前回大会ベスト4のうち3カ国が同じ組に居並んだ。
史上最難関ともいえるグループFの戦いを、二人はこのように分析した。
◆◆◆◆◆
佐藤 フランス、ポルトガル、ドイツですか……。まさに死のグループですね。
中村 本当に誰が決めたんだよって言いたくなるくらい厳しいグループ分けになったね。
佐藤 やっぱりまずは、3年前のロシアW杯で優勝したフランスじゃないですか。
中村 もし、フランスがA、B、Cの3チーム作ったとしても、そのうち2チームは決勝トーナメントに進出できるくらいのレベルにあると思う。とにかく戦力がぶ厚すぎる。
佐藤 ベンゼマが復帰したことでさらにすごいメンバーになったけど、控えに予想される選手の顔ぶれもヤバいですからね。ただ、やっぱりムバッペの要素が大きいのかなと思うんです。「違いを作る」という意味では、やっぱりムバッペに頼らざるを得ない部分が大きいのかなと。
グリーズマン=個性派集団フランスで“重し”の役割
中村 個人的には、このチームの中心はグリーズマンだと思う。ソシエダ時代から見てるけどアトレティコではシメオネのもとでハードワークもできるシャドーストライカーになり、バルセロナではメッシという大エースがいるなかで脇役も演じている。あれだけのキャリアを積むとなかなか難しいことだと思うけど、協調性がある。彼の個性はフランスという個性派集団の中でも、外せない“重し”のような役割を果たしている。バルセロナで求められている仕事とはまったく違うけど、代表では完全に中心かなと。そういうスタイルが確立されていることが今のフランスの強みだと思う。
――確かに“重し”の役割は大きいのかもしれません。