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【タジキスタン戦】ミャンマー戦先発は“南野拓実”だけ…森保監督が「序列を再考する」インパクトの選手はいたのか?
posted2021/06/08 11:02
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph by
Getty Images
日本対タジキスタン戦のスタートリストを見て、ちょっとした胸騒ぎを覚えた。主審がアブドゥルラフマン・アルジャシムだったからだ。
カタール出身の彼は、16年9月の日本対UAE戦でも笛を吹いている。埼玉スタジアムで行われたロシアW杯アジア最終予選の開幕戦で、浅野拓磨の明らかなゴールを認めなかったあの主審である。ふたりの副審も5年前の試合と同じだった。
不安は杞憂に終わった。主審が必要以上に影響力を行使する場面は、ほぼなかったと言っていい。コンタクトプレーで大げさに痛がるタジキスタンの選手たちを、冷静に見つめることもあった。
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ただ、日本にとっては苦い試合となった。
出場機会をつかんだ選手が、どこまでアピールできるのか
6月7日のタジキスタン戦を前に、吉田麻也、酒井宏樹、遠藤航の3人が、U-24日本代表にオーバーエイジとして合流していた。東京五輪世代の冨安健洋もチームを離れ、長友佑都はスタメンから外れている。最終ラインはレギュラー不在だ。
攻撃陣も主力を欠いた。大迫勇也が足の違和感でメンバー外となった。2列目の伊東純也と鎌田大地もベンチスタートで、5月28日のミャンマー戦に先発した選手は南野拓実ひとりだけなのである。
もっとも、カタールW杯アジア2次予選の日本は、8つのグループでいち早く最終予選進出を決めている。この日のタジキスタン戦と15日のキルギス戦は、負けても失うもののない試合だ。
そういった状況を踏まえれば、この試合の論点は明白だった。
出場機会をつかんだ選手が、どこまでアピールできるのか、である。
先制点から「わずか3分後」に失点
試合の入りは悪くなかった。開始6分、2列目右サイドに入った古橋亨梧が先制点を奪う。山根視来のタテパスから浅野が抜け出し、左足シュートがGKにブロックされたセカンドボールを、うまく収めてプッシュした。
ところが、3分後に追いつかれてしまうのだ。GK権田修一にはノーチャンスのヘディングシュートを、決められたのだった。