沸騰! 日本サラブ列島BACK NUMBER
30年前「トウカイテイオーのダービー」はディープともブライアンとも違っていた 圧勝か、大敗かだった名馬の“特別な強さ”とは
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byBungeishunju
posted2021/05/29 06:00
トウカイテイオーが制した30年前のダービーは、ディープインパクトら三冠馬とは違った衝撃があった
負けるときは同じ馬とは思えないほど脆かった
復帰戦は翌92年の大阪杯。父の主戦だった岡部幸雄を新たな鞍上に迎え、持ったままで圧勝。
しかし、次走、1歳上のメジロマックイーンとの「天下分け目の決戦」となった天皇賞・春では5着に敗れる。レース後、右前脚の骨折が明らかになり、またも休養に入る。
休み明け初戦の天皇賞・秋は7着に終わるも、次走、この年から国際GIになったジャパンカップを優勝。つづく有馬記念では11着に敗れるも、翌年の有馬記念を1年ぶりの実戦で勝ち、感動を呼んだ。
勝つときは別の次元から来たかのように強かったが、負けるときは同じ馬とは思えないほど脆かった。僅差で敗れたレースはなく、負けるときはすべて大敗だった。勝てないなら潔く降参。そんなところもテイオーらしさであった。