“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER
農業部、広報部、おもてなし部…高川学園サッカー部の「部署制度」がスゴい! “160人の大所帯チーム”が考えた「部活」の意義とは?
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph byTakahito Ando
posted2021/05/31 11:00
練習試合で訪れた山梨学院高のバスを見送る高川学園の生徒たち。江本監督が部のテーマに掲げるのは「目配り・気配り・心配り・言葉配り」だ
勝利を追い求めるだけではなく、高校3年間を通して何を得るか。江本監督はこの部署制度において何よりもそこを大事にする。
「選手たちの親御さんも、中学時代の指導者の皆さんも、『この子を成長させてほしい』という切実な思いで高川学園に送り出してくれる。当然、試合に出られるのは11人という現実はみんな分かっていること。だからこそ、レギュラーになれなかった選手たちが卒業後にどんな言動や立ち振る舞いをしているか。それを見て『高川学園でよかった』と思ってもらえるのは、部活動の指導者としての喜びだと思っています」
変化を求められる令和の時代のなかで、部活動はどう変わっていくべきか。必要か、不必要か――極端な2択を迫るのではなく、まだまだ考えられることはある。そのヒントとなる情熱が、ここ山口の地には確かにあった。
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