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“50本塁打&128打点”ペースの大谷翔平はベーブ・ルースと“タイプが似てる”? 「元祖二刀流の最盛期」はどれだけスゴかったのか 

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ナガオ勝司

ナガオ勝司Katsushi Nagao

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posted2021/05/28 11:02

“50本塁打&128打点”ペースの大谷翔平はベーブ・ルースと“タイプが似てる”? 「元祖二刀流の最盛期」はどれだけスゴかったのか<Number Web> photograph by Getty Images

日本人歴代最速ペースでホームランを量産している大谷翔平

このままいくと「50本塁打以上」?

 前述のように勝ち星や打点はチームメイトの成績にも大きく左右されるので、今は期待しなくていい。いくら投手・大谷が相手打線を抑えても、味方打線が点を取れなければ勝ち星は付かないし、たとえ試合途中まで勝っていたとしても、ルースのように「完投するのが当たり前」の時代に生きているわけではないので、救援投手が打たれれば勝ち星は消える。

 となると、比較すべきなのはやはり、「Homerun=本塁打」なのだ。

 大谷は現在、12.47打席(≒187打席÷15本塁打)に1本のペースで本塁打を量産している。単純に過去最多の425打席(2019年)なら34本塁打のペースだ。ただし、指名打者と投手を同時にやる今季の彼は、エンゼルスの全48試合中45試合=93.75%に「打者」として出場しているので、このままなら151.88試合に出場する計算だ。すでに45試合で187打席に立っているということは、1試合当たり4打席以上(187÷45≒4.16)に立っているわけで、シーズンが終わった頃には普通のレギュラー野手並みの631.82打席(151.88×4.16)と過去最多になっている可能性もある。

 今の本塁打量産ペースで打者・大谷が632打席に立てば、632÷12.47=50.68。つまり、50本塁打以上を打ってしまう計算になり、ちょっと恐ろしいことが起こる。

 大谷は、ソロ本塁打9本、2点本塁打4本、3点本塁打2本で全38打点の60.5%にあたる23打点を本塁打により記録している。本塁打以外での打点は全体の39.47%だ。これを前述の「仮想632打席で50本塁打以上」に当て込むと、本塁打だけで77.54打点となる。本塁打以外も合わせて、合計128.1点だ。

 つまり、大谷が今の打率.269/出塁率.326/長打率.632をシーズンの最後まで維持していくことができれば、かなり高い確率で128打点ぐらいを稼いで、二刀流・ルースのベストである「113打点」を超えてしまうわけだ。

まだ5月なのに「最優秀選手の最有力候補だ!」

「50本塁打&128打点? そんなバカな」と思って当然だ。

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