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ロビーさんも惚れた“2人の10番”松田力也と山沢拓也…「日本育ちの司令塔が優勝」は13季ぶり【ラグビーTL歴代王者の10番は?】 

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大友信彦

大友信彦Nobuhiko Otomo

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photograph byL)Getty Images / R)Takuya Sugiyama

posted2021/05/26 17:00

ロビーさんも惚れた“2人の10番”松田力也と山沢拓也…「日本育ちの司令塔が優勝」は13季ぶり【ラグビーTL歴代王者の10番は?】<Number Web> photograph by L)Getty Images / R)Takuya Sugiyama

松田力也(右)が試合を作り、山沢拓也が試合を締める――2人の司令塔はパナソニックの層の厚さを象徴していた

 2003-04に始まったTLでは、リーグ不成立となった昨シーズンを除き、歴代で17のチャンピオンチームが生まれた。

【TL優勝チームの歴代スタンドオフ】
※データは年齢、シーズン開幕時点での代表キャップ、チーム在籍年数(すべて当時)

2003-04 神戸製鋼
今村友基(24歳/キャップなし/2年目)
2004-05 東芝府中
島崎正吾(31歳/キャップなし/14年目)
2005-06 東芝府中
日原大介(28歳/キャップなし/7年目)
2006-07 東芝
廣瀬俊朗(24歳/キャップなし/3年目)
2007-08 サントリー
菅藤心(26歳/キャップなし/5年目)

2008-09 東芝
デイビッド・ヒル(30歳/NZ代表1C/1年目)
2009-10 東芝
デイビッド・ヒル(31歳/NZ代表1C/2年目)
2010-11 三洋電機
トニー・ブラウン(35歳/NZ代表18C/7年目)
2011-12 サントリー
トゥシ・ピシ(29歳/サモア代表6C/3年目)
2012-13 サントリー
小野晃征(25歳/日本代表12C/1年目)

2013-14 パナソニック
ベリック・バーンズ(27歳/AUS代表51C/1年目)
2014-15 パナソニック
ベリック・バーンズ(28歳/AUS代表51C/2年目)
2015-16 パナソニック
ベリック・バーンズ(29歳/AUS代表51C/3年目)
ヘイデン・パーカー(24歳/キャップなし/1年目)

2016-17 サントリー
小野晃征(29歳/日本代表34C/5年目)

2017-18 サントリー
マット・ギタウ(34歳/AUS代表103C/1年目)
2018-19 神戸製鋼
ダン・カーター(36歳/NZ代表112C/1年目)
2020-21 パナソニック
松田力也(27歳/日本代表24C/4年目)
山沢拓也(26歳/日本代表3C/5年目

◇◇◇

 こうして見ると、改めて、ロビーさんの言葉が説得力を持って迫ってくる。なんというか、名前はカタカナばかり。

 サントリーの小野は名前とルックスこそ日本人そのものだが、3歳のときニュージーランドに移住し、ラグビーキャリアを現地で積んだ逆輸入SO。U19カンタベリー代表に選ばれた経験も持ち、「自分はニュージーランド人です」と話すほどだ。

 つまり、国産のSOがタクトを振るチームがTLタイトルを獲得するのは2007-08の菅藤を10番に据えたサントリー以来、13シーズンぶりの出来事だった。

 W杯フランス大会が開かれた2007年。当時のTLで外国出身のSOは三洋電機のトニー・ブラウン、神戸製鋼のピエーレ・ホラ、NECのヤコ・ファン・デル・ヴェストハイゼンの3人だけだった。外国人枠は「2」だったことで、フィジカルの強さが主戦場となるFW第3列やCTB、サイズが求められるLOの選手を採用するのが主流だったのだ。

【次ページ】 「TL8強」の10番は?

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