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石川祐希はどんなキャプテンに? 監督や仲間が「頼もしい」と感じた合宿初日の言葉…理想のリーダー像は尊敬する金メダリスト 

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米虫紀子

米虫紀子Noriko Yonemushi

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photograph byPowervolley Milano

posted2021/05/19 17:00

石川祐希はどんなキャプテンに? 監督や仲間が「頼もしい」と感じた合宿初日の言葉…理想のリーダー像は尊敬する金メダリスト<Number Web> photograph by Powervolley Milano

イタリアでの厳しい争いの中で成長してきた石川。その経験を日本代表へ還元していく

 ここからは日本代表の一員として、世界と戦う日々が始まる。5月28日からは、イタリア・リミニで約1カ月に渡ってネーションズリーグが開催される。長時間の移動や日本での隔離期間を考えると、石川はセリエA終了後、イタリアに残って待つ選択肢もあったが、一旦帰国することを選んだ。

「イタリアにいれば、隔離もせず、トレーニングやボール練習ができたので、コンディションのことだけを考えるとイタリアに残ったほうがよかったのかもしれませんけど、僕自身、今年はキャプテンを務めさせていただくので、少しでもチームに合流して、チームを見て、理解しておいたほうがいいなと思いましたし、監督からも戻ってきてほしいという話があったので、こういう決断をしました」

 ネーションズリーグは、石川にとって2019年W杯以来の国際大会であり、東京五輪前最後の大会。そこへの意気込みをこう語る。

「オリンピックを見据えた上で戦わなければいけない。(東京五輪に出場する)他のチームは五輪予選を勝ち抜いてきているけど、僕たちは予選をやっていないので、今回のネーションズリーグは五輪予選以上の気持ちを持って戦わないと。五輪本番で予選(1次リーグ)通過できるチームは8チームなので、(ネーションズリーグも)8位以内を目指さないといけない。そこは絶対条件になってくると考えています」

 ネーションズリーグは五輪のメンバー選考において重要な大会。そんな意識になっていた筆者はハッとさせられた。

 代表合流初日に、石川が全員の前で話したのもこのことだった。

「ネーションズリーグは、五輪予選と同じ気持ちで戦わなければいけない。もう一度緊張感を高めて、チームとしてやっていこう」

「キャプテンらしいじゃん」

 石川と同学年で、ユース時代からの付き合いになるミドルブロッカーの小野寺大志(JTサンダーズ広島)は言う。

「チームとして目指すべき方向を示してくれた。あれだけの実力がある選手が話すことで、若い選手や、他の選手も、『ああ、なるほどな』って思ったと思う。放つ言葉の一言一言に、いろいろなことを経験した上で話しているんだろうなと感じたし、頼もしいなと、『キャプテンらしいじゃん』って思いながら聞いていました」

「ま、声小さかったですけど」と小野寺は笑いながら付け加えた。

 若い選手が増える中、ともすれば孤高の存在になる可能性もある石川にとって、こうした冗談を言える同い年がいることは、きっと助けになる。

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