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石川祐希はどんなキャプテンに? 監督や仲間が「頼もしい」と感じた合宿初日の言葉…理想のリーダー像は尊敬する金メダリスト
posted2021/05/19 17:00
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph by
Powervolley Milano
自信と覚悟にあふれた表情だった。
今年からバレーボール男子日本代表の主将を務める25歳の石川祐希(パワーバレー・ミラノ)は、5月17日に行われたリモート会見で、意気込みをこう語った。
「僕自身、キャプテンをやりたいと思っていた。それが今回このようなタイミングだったということで、覚悟を持って、選手たちのよさを引き出せるキャプテンになれるよう取り組んでいきたい」
日本代表は4月に始動したが、石川はイタリア・セリエAで4月25日まで戦って帰国し、2週間の自主隔離期間を経て5月16日に代表に合流した。
合流初日の練習開始時に、石川は「ちょっと一言いいですか」と自ら手を挙げ、合流が遅れて申し訳ないという思いや、できる限り早くチーム練習に合流できるよう努めること、28日から始まるネーションズリーグの意義などを全員の前で語った。
その姿を見た中垣内祐一監督は、「成長してくれているなと、非常に頼もしく思った」と目を細めた。
「パリ五輪まであと3年しかない」
昨年まで柳田将洋(サントリーサンバーズ)が主将を務めていたが、今年、石川を主将に指名した理由を指揮官はこう語った。
「東京五輪の年ですが、パリ五輪まであと3年しかない。パリへの強化期間がもうすでに始まっていると考えると、そこに向けてのチーム作りも必要なのではないかと思い、思い切ってキャプテンを代えることにしました。
石川に対してはこの3年ほど、コート内でのリーダーシップを常に求めていましたが、イタリアでも経験を積み重ねて、十分キャプテンの任に耐えうると判断できた。以前は、若かったこともあり、コート内で自分の余力を他人に分けるという作業はあまりなかったけれど、それが徐々に、声となり身振りとなり、出ていくことで、周りの選手に指示を与えたり、勇気づけたり、そういうことができるようになってきたなと感じています」
隔離期間を終えたばかりのため、合流初日は別メニューでの練習だったが、それでも早速、若手選手にアドバイスを送るなど、存在感を示した。19歳の高橋藍(日体大)は目を輝かせて言う。
「『すごく調子が上がってきてるね』という言葉をもらって、すごく嬉しかったですし、石川選手と対角を組むにはもっと頑張らないといけないな、という思いも強くなりました」