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相澤晃「伊藤と2人で外国人勢に食らいつきたい」 復帰戦で自己ベストの男が見つめる“日本人未到の26分台”
text by
和田悟志Satoshi Wada
photograph byAsami Enomoto
posted2021/05/14 11:01
READY STEADY TOKYOの5000mで自己新記録を叩き出した五輪10000m代表の相澤晃
日本人にとって前人未到の26分台へ
また、一定のペースで押していくことはできても、五輪の舞台ではペースの上げ下げにも堪えなければならない。強化すべきポイントはまだまだたくさんある。今後は、試合勘を取り戻すために、3000mや5000mの記録会への出場を計画しているという。
「6月、7月と合宿を通してスピードを強化していき、五輪本番では26分台を目指したい。10000m26分台は、3000mだと8分、5000mだと13分20秒で余裕を持って走れるぐらいのレベルじゃないと、出せない。2分42秒ペース(このペースで10000mを走ると、ちょうど27分になる)を自分の体の中に叩き込んで、いかに楽に10000mを走り切れるかを課題に掲げてやっていきたいと思います。
前回の日本選手権で、日本人が26分台を出すことは不可能ではないんだなって、改めて実感しました。昔の自分だったら届かない記録って思っていたんですけど、こうやって日本記録を更新できて一歩前に進めたと思います」
いよいよ日本人にとって前人未到の26分台に向けて、相澤の挑戦が本格化していく。種目は違えど5~6割で自己ベストなら、相澤が求める完成形に仕上がった時、10割の力を発揮できれば、確かに26分台は夢物語ではない。
「本当に伊藤には負けたくないです」
相澤にとっては、5月3日の日本選手権10000mで代表を決めた伊藤の存在も刺激になっている。
「伊藤が日本選手権で優勝したのは、自分にとってもすごくうれしいことでした。本番に向けて、2人で競り合って外国人勢に食らいつきたい。本当に伊藤には負けたくないですし、お互いに“負けたくない”っていう気持ちで頑張れば、成績もついてくるのかなと思います」
伊藤とは、大学時代から激闘を繰り広げてきたが、五輪の舞台でも2人が競り合う場面が見られそうだ。