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【独自】“交際0日で結婚→育児してブラジル柔道監督” 藤井夫妻の7歳愛息が日本人初のフラメンゴ加入!「いつかタケフサと…」
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byHaruki Fujii
posted2021/05/05 17:02
日本人として初めて“フラメンゴの一員”となった7歳の藤井清竹君
ジーコ、レオナルドらを輩出した名門フラメンゴ
CTEFFは、フラメンゴの下部組織の指導者2人が立ち上げたクラブで、選手の個人能力を伸ばすことに特化した、いわばフットサルの私塾である。フラメンゴなどリオのビッグクラブの下部組織へ多くの選手を送り込んでいる。
リオにはフラメンゴ、フルミネンセ、バスコダガマ、ボタフォゴの4大クラブがあるが、人気、実績で他を圧倒するのがフラメンゴだ。
最大のレジェンドはジーコで、1981年に東京で行なわれたトヨタカップでリバプールを倒してクラブ世界王者となっており、2019年にも南米王者に輝いている。選手育成に定評があり、ジーコの他にも元ブラジル代表のジョルジーニョ、レオナルド(いずれも鹿島アントラーズで活躍)ら名手を輩出。今季、レアル・マドリーで絶好調のブラジル代表FWビニシウス・ジュニオールもこのクラブの出身だ。
ファン総数が4000万人とも言われる世界最大級の超人気クラブで、このクラブの下部組織に入ることはブラジル中のフットボール少年の夢と言っていい。
指導者に高く評価され、入団テストを受けろと
エンゾも、その少年の1人だ。父親がフットボールが大好きで、自身もプロ選手を目指したが叶わなかった。そこで息子に自分の夢を託し、幼い頃から二人三脚で鍛えてきた。
昨年初め、バスコダガマのU-6の入団テストに合格し、練習を積んでいた。ところが、3月中旬に活動が中止されたため、昨年末からアロウカとCTEFFで練習していた。
しかし、実は一家は揃ってフラメンゴの大ファンで、本当はエンゾをフラメンゴの下部組織に入れたかった。CTEFFのコーチから憧れのクラブの入団テスト参加を勧められ、親子共々、大喜びだった。
2月中旬、陽樹さんも清竹君をCTEFFへ入れた。ボタフォゴの下部組織に入れる選択肢もあったが、フラメンゴはクラブとして申し分ないし、リオの4大クラブのうちで練習場が家から最も近い。練習の度に車で子供の送り迎えをしなければならない親にとって、負担が少ない。
「今年のフラメンゴの入団テストにはもう間に合わないだろうけど、今後、テストを受ける機会が得られるかもしれない、と考えた」(陽樹さん)
ところが、予想外のことが起きた。清竹君はCTEFFの指導者に高く評価され、入団して間もなく、エンゾと同様、フラメンゴのU-7の入団テストを受けるよう勧められたのである。
入団テストは、U-7のフットサルの練習に参加する形で行なわれた。場所は、市南部のガベア地区にあるフラメンゴの本拠地の体育館。選手枠は20人弱で、U-6から昇格した選手が約半分を占め、残り半分が入団テストを受けて合格した選手が占めるという。このときの練習には、20数人が参加していた。