濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
減量していたのに「カップ麺食べながら泣いて、YouTubeで…」 ぱんちゃん璃奈が明かす、突如試合が遠のいた格闘家の思い
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph byDef Fellow
posted2021/04/29 17:04
計量前日に突如試合の延期が決まったぱんちゃん璃奈。厳しい練習や減量を越えた先の緊急事態宣言だった
「私、1試合のために2回も減量するんですけど(笑)」
「やっぱりトップ選手たちは、まず後楽園で試合をさせてあげたいですよね」(宮田)
さまざまな事情が複雑に絡み合う。だから「誰のせいでもない」とぱんちゃんは言った。宮田は、これが興行に関わる人間の宿命だとも捉えている。
「興行は水物。常にアクシデントと背中合わせな世界ですよ。“うちは試合内容はいい”なんて言っていても、ファンの支持が得られなければ終わっていく。木戸銭いただくのを生業にするって、そういうことです。理不尽なことはいくらでもある。こういう時こそ腕の見せどころじゃないですか」
正直なことを言えば、ぱんちゃんには「5月22日なら確実に試合ができるんだろうか」という疑念もある。
「本当に大丈夫なの? 私、1試合のために2回も減量するんですけど、って(笑)」
試合後のカップ麺も2回分おいしい。今はそう思うしかないだろう。1カ月試合が延びたのなら、1カ月分強さを増した自分を見せるとぱんちゃんは意気込んでいる。注意しているのは「むしろ気合いが入りすぎて、熱くならないようにすること」だそうだ。