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“将棋めし”の元祖、鳥取砂丘以外でも全裸、長嶋茂雄と大の仲良し… “49歳で最年長名人獲得”の米長邦雄伝説が濃すぎる
text by
田丸昇Noboru Tamaru
photograph byNoboru Tamaru
posted2021/05/04 11:02
(左から)米長永世棋聖、知人の中原伸之さん、長嶋さん、夫人の明子さん
長嶋さんは羽生将棋についても絶賛していた
米長のユーモラスな一言で、静寂だった会場は大爆笑となった。神妙な表情の長嶋も白い歯を見せた。米長、長嶋の二人のスーパースターのオーラによって、就位式は大いに盛り上がった。しかし、会場にいた読売の関係者は、長嶋さんの突然の出席に複雑な様子を見せたという。
長嶋さんは一九八〇年のシーズン終了後、公式戦の成績不振の責任を取って巨人軍監督を退任したが、実際は解任だったという。その後、スポーツ全般の文化活動に力を入れていた。古巣とはほとんど接触がなく、読売本社を訪れたのは五年ぶりだった。
長嶋さんは、大学時代から将棋を愛好していた。巨人の選手時代にはチームで一、二を争う腕前だった。一九七〇年代の監督時代には、中原名人と二枚落ちの手合いで記念対局をした。得意の中飛車から積極的に攻め込み、中原の玉を追い詰めていったが、決め手を逃して惜しくも敗れた。また、一九九五(平成七)年にはテレビ番組の企画で羽生善治六冠と対談し、映像と感性で指すという羽生将棋について絶賛した。
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