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“嘘ばかりのメディア”に仏頂面の指揮官フォンセカが激怒! 「ローマを応援すべきだ」と口撃するワケ 

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弓削高志

弓削高志Takashi Yuge

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posted2021/04/14 17:01

 “嘘ばかりのメディア”に仏頂面の指揮官フォンセカが激怒! 「ローマを応援すべきだ」と口撃するワケ<Number Web> photograph by Getty Images

ローマはELの舞台で健在ぶりを示すことはできるか

シーズンの大勝負に対峙している

 毅然とプレス批判をしたローマのフォンセカ監督はのるか反るか、シーズンの大勝負に対峙している。

 フォンセカ体制2年目を迎えた今季のローマは、山あり谷ありの混乱に満ちたシーズンを送ってきた。

 昨夏テキサスの大富豪フリードキン一家が新たにオーナーとなり、経営陣を入れ替えたことで新シーズンの組織編成は例年以上にカオスと化した。

 注目の開幕戦はベローナとドローに終わったはずが、MFアマドゥ・ディアワラの選手登録違反が判明。事務手続き上のミスから試合結果が「0-3による負け試合」になるという失態で序盤から躓いた。

怒り爆発ジェコに監督が下した懲罰

 昨季ELベスト16でセビージャに完敗して以来、エースで主将のFWエディン・ジェコは監督の指導能力に対して不信を募らせる一方。スタッフの確認ミスで"6人交代"というルール違反を犯したせいで、またも「0-3黒星」裁定を受けた今年1月のコッパイタリア敗戦で、ジェコの怒りは遂に爆発した。

 フォンセカに激しく反目。これを重く見た指揮官は、懲罰としてジェコからキャプテンマークを剥奪して全体練習からも外すと、続くリーグ戦2試合では招集外とした。

 故障者も多く、ベストメンバーで戦えた試合はいくつあったことか――。開幕直前に代表戦で膝を痛めたMFニコロ・ザニオーロを筆頭に、トッププレーヤーであるMFヘンリク・ムヒタリアンやDFクリス・スモーリングにも筋肉系故障が頻発した。とはいえ、代わりに抜擢された若手たちが大きく成長したから悪いことばかりだったとも言えない。

 DFのR・イバニェスやMFゴンサロ・ビジャール、DFリッカルド・カラフィオーリらは指揮官が好む、前がかりのサッカーを咀嚼し、ELの舞台でヤングボーイズやCSKAソフィアらを相手に勇ましく勝ち上がった。ダブルボランチを基点に左右中央から多様な攻め手を持つローマは冬の間、セリエAでもCL出場圏をキープし続けた。

フォンセカのチームには泣きどころがある

 ただし、フォンセカのチームには泣きどころがある。

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パウロ・フォンセカ

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