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桜花賞に国枝師が送り出す、“ディープ似”と“ソダシと互角”の2頭は「ポストアーモンドアイ」になるか 

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平松さとし

平松さとしSatoshi Hiramatsu

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photograph bySatoshi Hiramatsu

posted2021/04/09 11:01

桜花賞に国枝師が送り出す、“ディープ似”と“ソダシと互角”の2頭は「ポストアーモンドアイ」になるか<Number Web> photograph by Satoshi Hiramatsu

阪神ジュベナイルフィリーズでのサトノレイナス(左)とソダシ。このレースをクビ差で制した白毛馬に国枝師が再び挑む

初めての関西圏への移動も「心配はしていません」

「中間は放牧に出す事なく厩舎で仕上げました。1週前には武史(騎乗する横山武史騎手)に乗ってもらい、(7日の)最終追い切りはうちの調教助手が乗り、南ウッドチップコースで手応えを確かめる程度。少しモタつく感じはあるけど、競馬へ行って良い馬なので及第点といえる動きでした。昔と違って落ち着いており、良い雰囲気でしたよ」

 となると問題は初めてとなる関西圏への輸送かもしれない。敗れた新馬戦は新潟競馬場でのレースだった。その後の3連勝はいずれも東京競馬場。一般的に繊細といえる3歳春の牝馬にとって、初めての関西圏への輸送がネックとなってもおかしくはない。当日の馬体重が極端に減るようなら苦戦しても不思議はなさそうだが、指揮官は一笑に付して言う。

「なかなか利口な面のある馬ですからね。そのあたりの心配はしていません。右回りは初めてだけど、調教では普通に走れているし、そもそも癖のない馬なのでこなしてくれると信じています」

サトノレイナスはソダシに負けたとはいえ

 同じ金子真人オーナー(名義は金子真人ホールディングス)で1番人気が予想されるソダシとの初対決が注目されるが、指揮官としてはこの2歳女王よりも気にしなくてはいけない馬がいる。それが、自らが送り込むもう1頭のディープインパクト産駒でもあるサトノレイナスだ。

 同馬は2歳6月の新馬戦で早々に初出走初勝利を挙げると、約4カ月ぶりだったサフラン賞(中山競馬場、芝1600メートル)もゆうゆうと抜け出して連勝。2戦2勝で阪神ジュベナイルフィリーズに挑戦した。

「結果はソダシの2着でしたけど、その差は僅かハナでした。ゴールの瞬間はどちらが勝ったか分からないほどで、負けたといえ互角の力があるところは証明出来た競馬ぶりだと思いました」

 スタートで安目を売ってしまい、序盤の位置取りが苦しくなった事を思えば、スムーズなら逆転があっておかしくないと言える競馬だった。しかし、この点は司令塔らしく冷静に次のように続けた。

「勿論、普通にスタートを切ってくれた方がチャンスは広がるでしょうけど、この馬の場合、発馬が少し遅めになってしまうのはいつもの事ですからね。お陰で勝ち馬を見ながらロスなく進められたとも言えるので、必ずしもスタートだけが敗因とは考えていません」

【次ページ】 「感触を確かめたルメちゃんが喜んでくれた」

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