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世界一、他人の妬み、4度の離婚…さらりと語るマテウス60歳 ネイマールやボルトも憧れる豪快レジェンド伝説 

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中野吉之伴

中野吉之伴Kichinosuke Nakano

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photograph byGetty Images

posted2021/04/07 17:00

世界一、他人の妬み、4度の離婚…さらりと語るマテウス60歳 ネイマールやボルトも憧れる豪快レジェンド伝説<Number Web> photograph by Getty Images

ベッケンバウアーと談笑するマテウス。ドイツサッカー界のレジェンドだ

マラドーナ、メッシのように天才的ではないが

「マラドーナのように天才的な選手ではなく、メッシのようにトリックが豊富な選手でもなかったかもしれない。だがローター、あなたはどんな激闘の中でもチームを導ける真のリーダーだった。世界最優秀選手となり、ワールドカップで優勝し、8度ブンデスリーガを制し、セリエAでも優勝した」

 ピッチを縦横無尽に走り回る、今でいうボックス・トゥ・ボックス・タイプの選手で、ダイナミックさと強烈な推進力、さらには状況に応じたプレー選択精度とそれを実現するスキルレベルの高さが本当に素晴らしかった。

オシム率いるユーゴから決めたファインゴール

 彼の集大成として思い出されるのは、やはり90年イタリアW杯のグループリーグ初戦、ユーゴスラビア戦でのゴールだろう。

 優勝候補の一角にあげられていたイビチャ・オシム監督率いるユーゴスラビアを相手に見事なミドルシュートで先制すると、後半には大会最優秀ゴールに数えられるシュートでチーム3点目をあげたのだ。

 自陣でボールを持ったマテウスはドリブルで持ち上がり、ユーゴスラビア守備陣をどんどんかいくぐっていく。前に立ちふさがる相手を鋭い動きで外して、一気にペナルティーエリア付近まで持ち込むと、そのままスピードを落とさず、強烈で正確な右足シュートをゴール左隅へと突き刺した。オールドファンにはたまらないゴールシーンだ。

 代表監督を務めていたフランツ・ベッケンバウアーも「あのプレーを見たら、彼以上の選手は世界中どこにもいないというのもわかるだろう。ローターは私のピッチ上における右腕だった。チームを引っ張るリーダーとしての資質には本当に素晴らしいものがあった」と振り返っている。

 代表監督、代表キャプテンとしてW杯優勝を果たした2人の信頼関係は特別で、今でもその絆は変わらず、交流が続いている。

 元ドイツ代表のアンドレアス・メラーは、マテウスを「もっとも総合力のある選手」と絶賛していた。その技術レベルの高さに関しては、こんな伝説がある。

【次ページ】 “鳥かご”で12年間も“鬼”をやったことがない!?

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