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世界一、他人の妬み、4度の離婚…さらりと語るマテウス60歳 ネイマールやボルトも憧れる豪快レジェンド伝説 

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中野吉之伴

中野吉之伴Kichinosuke Nakano

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photograph byGetty Images

posted2021/04/07 17:00

世界一、他人の妬み、4度の離婚…さらりと語るマテウス60歳 ネイマールやボルトも憧れる豪快レジェンド伝説<Number Web> photograph by Getty Images

ベッケンバウアーと談笑するマテウス。ドイツサッカー界のレジェンドだ

“鳥かご”で12年間も“鬼”をやったことがない!?

 日本で"鳥かご"と呼ばれることもある"ロンド"は、4~5人が輪になり、中に入った2人がボールを奪いに行くシンプルな練習だ。パスミスやパスカットでボールを失った選手がDFとなるのだが、マテウスはバイエルン在籍の12年間でDF役をやったことがないという。つまり、12年間で1度もボールを失ったことがないというのだ!

 派手なプレーをする選手ではなかったかもしれない。だがその技術レベルの高さは群を抜いていた。

 同時に戦略的な知識も持ち合わせていた。

 ジョゼップ・グアルディオラやラルフ・ラングニックのような戦術家は、「サッカーの戦術はチェスのようなものだ。いろいろな手を考え、相手がどんな準備をしているかを想定していく。自分で次の手を考えておきながら、相手のリアクションにリアクションする準備もしておく。相手が自分の狙いを知っていること、同時にこっちが知っていることを相手も知っているという原理で考える」という話をよくする。

 こうした考えに対してマテウスは「意図的にボールロストすることなんては、80年代(インテル)ミラノで実際にやっていたさ」とさらっと明かしている。

バイエルンとは“ケンカ別れ”状態だけど

 選手としてのキャリアは間違いなく歴代最高レベル。一方でプライベートのマテウスはどうなのだろう。

「私はまっすぐで正直でコミュニケーションをとるのが好きな人間だ」と本人は語るが、良くも悪くも正直すぎる。晩年バイエルンで引退試合について交渉しているときに、当時会長だったウリ・ヘーネスと激しく衝突したことがあった。

 ヘーネスが「マテウスは私とカールハインツ・ルンメニゲの目が黒いうちは、グリーンキーパーとしても今後二度とバイエルンの敷地には足を踏み入れさせない!」と言うほど激怒させてしまった。

 ボルシアMGのスタジアムDJで、プライベートでも交流があったロルフ・ゲッテルは、そんなマテウスの人となりについて次のように話していたことがある。

【次ページ】 称賛されるだけでなく妬みの対象にもなるが

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