（2）セ・リーグスカウト「小園はすぐ使えますよ」

　1.小園健太（市立和歌山）
　2.畔柳亨丞（中京大中京）
　3.達孝太（天理）

「（小園の）均整抜群の体格、春先のこの時期にコンスタントに145キロ前後が続けられるパワー、打者の手元で激しく動くスライダー、ツーシームの質……まだまだありますよ、バッターの能力を判断しながら自分の出力を加減できるセンスもそうだし、強豪相手にもぜんぜんひるまない勝負根性。智弁和歌山が3回もやられたのも、わかるような気がする。このピッチャー、投げるたびに、自分を変えられるんじゃないですか。“新味”を出せるんですよ、きっと」

　あるセ・リーグスカウトはこう話す。手放しの賛辞は続く。

「口に出さないだけで、今すぐほしいって思ってる球団、いくつもあるんじゃないですかねぇ。変化球の種類が多いし、ある程度制御もできる子だから、ムリすれば、すぐ使えますよ。先発の頭数の足りない球団なんか、絶対今すぐ欲しいはずですよ」

　そうは言っても、何か心配な所あるでしょ、高校生なんだから。

「心配なんか、ないですよ。文句のつけようなし」

　と言いきっておいて、まあ、強いて言えば……と続けたのが、

「キャッチャーが松川（虎生）じゃなくなっても、同じピッチングができるかなぁ……って、それぐらいかな。そういうピッチャー、たまにいますから」

小園健太（市立和歌山）　©KYODO

　中学時代から不動のバッテリーを組んで6年目。確かに、松川あってこその小園、小園あってこその松川だという。

「小園でいこう！っていう球団は、松川はどうしようかって、そこも考える必要が出てくるかもしれませんね。評価はマチマチみたいですけど、最近では珍しいキャッチャーらしいキャッチャーですよね。バッティングも右中間にいい打球飛ばしますしねぇ」

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