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【競泳日本選手権開幕】北島康介の後継者は? 平泳ぎ200m世界2位・渡辺一平vs4位・佐藤翔馬のハイレベル代表選考レースを見逃すな 

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松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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posted2021/04/03 11:00

【競泳日本選手権開幕】北島康介の後継者は? 平泳ぎ200m世界2位・渡辺一平vs4位・佐藤翔馬のハイレベル代表選考レースを見逃すな<Number Web> photograph by KYODO

2月のジャパンオープン、男子平泳ぎ200m決勝で渡辺(手前)を破った佐藤。日本選手権の決勝レースで「派遣標準記録を突破した上で、2位以内に入ること」が五輪代表内定の条件となる

 柔軟な足首とともに生み出されるキックを武器とする佐藤はその後も順調に階段を上り、今年1月の北島康介杯では2分6秒78と渡辺の日本記録に迫るタイムで優勝。2月のジャパンオープンで2分6秒74とさらにタイムを縮めたばかりか、渡辺を破って優勝したのである。

「6秒台はコンスタントに出ているので、4月の代表選考会(日本選手権)、オリンピックでもいいタイムで優勝したいです」

 このように語り、代表の先の世界一も目指して日々の練習に取り組む。

 五輪には出場経験のない佐藤が世界を意識する根拠はある。世界歴代記録で見ると渡辺は2位、そして佐藤のジャパンオープンのタイムは4位に相当する。頂点を具体的に思い描ける位置にいると言っていいだろう。

伸び盛りにはポジティブに働いた五輪延期

 また、東京五輪の延期がプラスに働いたこともあげられる。

 佐藤はここ2年で約5秒も自己記録を縮めているが、もし、昨年予定通りに大会が開催されていたら、今日の位置まで成長する前に代表選考会を迎えることになっていたし、代表入りの確率も現在より低かったのではないか。絶好のタイミングでオリンピックシーズンを迎えられたと言える。

 ここまで2人の足跡をたどり、平泳ぎの200mには世界でもトップレベルの2人が日本にいる、ということがわかったと思う。

 渡辺、佐藤ともに、目指しているのはオリンピックでの優勝だ。だから、代表になれるのは2人ではあっても、2位での代表権獲得は納得がいかないだろう。

 2月から3月初頭、渡辺は長野県東御市で高地合宿を積んだ。その成果をこう語る。

「こんなに練習でタイムが速いこともないし、レースに臨んでどのくらいのタイムが出るか見当もつかないです」

 一方の佐藤は、「やることは変わらず、やってきたことを積み上げてやっていきたいです」という言葉の通り、練習を積み重ねてきた。

 2人が泳ぐのは200mだけではない。まずは100mが勝負の第1ラウンド。ここでどのような泳ぎを見せられるか、代表入りを手にするか、そのレースも200mにつながっていくだろう。そして平泳ぎは2人だけではなく、他にも力を持つ選手がいるだけに、安閑とはしていられない。

 平泳ぎと言えば、北島康介が五輪で100、200mの2種目連覇を果たすなど、日本が好成績を残してきた種目だ。

 その後を継いでいけるか、両者を中心とするレースの行方が楽しみなところだ。

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