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【競泳日本選手権開幕】北島康介の後継者は? 平泳ぎ200m世界2位・渡辺一平vs4位・佐藤翔馬のハイレベル代表選考レースを見逃すな
posted2021/04/03 11:00
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph by
KYODO
4月3日から10日にかけて、競泳の日本選手権が開催される。東京五輪代表選考を兼ねた大会だけに、各種目の行方に注目が集まる。
中でも高い関心を呼ぶのが、男子平泳ぎ200mだ。世界でもトップレベルに位置する2人がしのぎを削っている。
その1人が渡辺一平だ。
193cmと体格に恵まれる渡辺は、柔軟な肩甲骨をいかすことでしっかり水をかくフォームを体得し、2016年、大学2年生のときにリオデジャネイロ五輪に出場を果たす。準決勝でオリンピック記録を更新するなど存在感を示し、6位入賞で大会を終えた。
その名が一気に広まったのは2017年。東京都選手権で2分6秒67の世界新記録(当時)を叩き出したのである。
2017年、そして2019年の世界選手権でも銅メダルを獲得するなど、この種目の日本代表の有力候補たる活躍を見せてきた。
世界記録の先にある金メダル
一昨年、チュプコフ(ロシア)が2分6秒12を出し、渡辺の世界記録は塗り替えられることになった。渡辺は世界記録を意識しつつ、日本選手権へ向けての抱負をこう語っている。
「世界新記録を出して優勝したいです」
その先にあるのは、オリンピックでの金メダル獲得という目標。そのためにもここで好記録をマークし、海外勢に「インパクトを与えたい」という思いがある。
そしてその目を向ける先は、海外のライバルたちばかりではない。国内に、渡辺の足元を脅かすように台頭してきた1人の選手がいる。4月に大学3年生となった佐藤翔馬である。
幼稚舎から一貫して慶応義塾に通う佐藤は、勉強との両立を図りながら競泳選手としての道を歩んできた。
2019年、大学1年生のときに出場した世界ジュニア選手権で銀メダルを獲得し将来を嘱望される存在になった。