フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
紀平梨花「ダメダメだと思ってもいいことない」、坂本、宮原も“得るもの”が…3枠確保し北京五輪へ
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph byGetty Images
posted2021/03/31 11:01
時差ボケの影響で7位に終わった紀平。北京五輪に向け「本当に1からやり直したい」と語った
「明日から気持ちを入れ替えてやるぞ」
「朝からすごい起きてしまっていたので、体が寝ている状態。回転するときに速度が遅いというか……」
2019年12月のトリノGPファイナルの時も、身体が時差に対応できずに不調な演技で、表彰台を逃した。時差に対して、繊細な体質なのだろう。
「一応3枠は取れたのでそれはほっとしているんですけれど。本当に一からやり直したいというか、明日から気持ちを入れ替えてやるぞ、という気持ちです」
大会最終日午前中の取材では、反省と同時に、自信を保つ大事さも強調した。
「きのうは、自分はダメダメだと思ってしまった。あまりそういうふうにしても、いいことない。できたところは自信を持って、良く頑張ったと思えるようにしたいです」
坂本は「反省点がすごく多かった試合だった」
坂本花織は、SP6位、フリー5位で総合6位だった。SP、フリーを通して大きなミスはなかったが、3ルッツに不正エッジ判定がついたこともあり、スコアがあまり伸びなかった。特にフリーの後には、坂本自身納得がいかないようで、悔し涙も見せた。
「今までは普通にやれば150とか出てて……思っていたより15点くらい低かった。いつもそういうわけにはいかないんだな、とすごく思って。正直すごく、もやもやはしているんですけれど……」
だが大会最終日の午前中に取材に応えて、改めて採点について聞かれるとこう答えた。
「リザルト(採点詳細)見たりとか、細かく見ると、細かく引かれている。そう考えるとあの点数は妥当だったのかな、と。反省点がすごく多かった試合だった」
「ここがダメだったかな、というのがすごく出てきた」
キス&クライで総合スコアだけ見た時とは、また感想が変わってきたのだという。中野園子コーチには、「ショートもフリーも慎重にしすぎていたので、勝ちにいこうという気持ちがちょっと足りなかった」と分析された。