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紀平梨花「ダメダメだと思ってもいいことない」、坂本、宮原も“得るもの”が…3枠確保し北京五輪へ
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph byGetty Images
posted2021/03/31 11:01
時差ボケの影響で7位に終わった紀平。北京五輪に向け「本当に1からやり直したい」と語った
「今後はまあそういうこともあるんだと」
「こういう経験も必要なので、今後はまあそういうこともあるんだということを覚えて、練習して試合にのぞみたいなと思っています」
だが3枠獲得というプレッシャーを背負った中で、全体通して安定した演技で滑り切ったことは、さすがの実力だった。
宮原は「精神的には自分に向き合えた」
一方宮原は、SPからジャンプミスが続いてしまった。長い間日本の女子を牽引し、「ミス・パーフェクト」と呼ばれてきた宮原に、何が起きたのか。フリーの後に、こう口を開いた。
「(フリー演技は)技術的にはとても難しい、話にならないくらいの内容」
そう言いながらも、精神的には得るものがあったという。
「精神的にはすごく自分と向き合えて、SPに比べて冷静に向き合えたと思うので、その辺のギャップというか……自分がどう考えているのか分かったうえで、ちゃんとそれをものにするというところまでまだいってないな、というのを感じました」
事前の調整は、どうだったのだろうか。
「順調とはいえなかったです。いろいろ小さな、怪我ではないですけれど、ちょっとあったりとか。練習もトロントで落ち着いてはできなくて、調子はあまりよくなかった。心のどこかにその不安があったのかと思います」
2位トゥクタミシェワについてはどう思う?
全日本選手権後、パンデミックの影響でカナダに再入国ができなかったため、デトロイトで佐藤有香コーチの指導を受けながら調整した。将来的に、佐藤コーチも指導チームに参加してもらう可能性も考えているという。
今やベテランの域に入った宮原だが、彼女が初挑戦して銀メダルを手にした2015年上海世界選手権のチャンピオン、24歳のエリザベータ・トゥクタミシェワが、この大会で2位に入った。その感想を聞かれると、こう答えた。