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TJ・ペレナラだけじゃない! とにかく面白かったTL前半戦、大西将太郎が絶賛する“12番”&“ポスト福岡堅樹”とは?
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NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph byNaoki Nishimura/AFLO SPORT
posted2021/03/23 11:02
大西氏が選出に苦労するほど好プレーを見せる選手が多かったTL前半戦。ワラビーズ主将マイケル・フーパー(右)にトライを祝福される「14番」にも注目だ
強くて速くて上手いNo.8ナエアタ
あとは、何と言っても神戸製鋼のNo.8ナエアタ ルイ(27歳、193cm、118kg)の迫力はやっぱりすごいですね。トンガをルーツに持つフィジカルはもちろん、彼はスピードが魅力的。ナエアタがタッチライン際に待ち構えていることはどのチームも理解しているはずですが、それでもリーグトップの「9」とトライを量産できるところに脅威を感じます(第4節終了時点)。
日本代表としての資格を得ているので、競争が厳しいバックローのポジション争いの中心になるでしょう。インターナショナルレベルでのパフォーマンスを早く観てみたいですね。器用な選手なので試合の途中からでもインパクトを与えられ、起用法にも選択肢を持てます。
残念なことに、近年取り締まりが厳しくなっている「危険なプレー」によって残り試合の出場停止が発表されていますが、プレーオフトーナメントでの活躍を楽しみにしましょう。
中村亮土は「またひと皮むけた」
選んでいくとキリがないぐらい良いプレーヤーが多いですよね……迷った時は、私の“ホーム”であるCTBから選びましょう(笑)。
前半戦のプレーでは、断トツで中村亮土(サントリー)ですね。今季からキャプテンとなり、またひと皮むけた印象があります。
SOバレット、オーストラリア代表CTBサム・ケレビとワールドクラスに挟まれながらも、「行くところは行く」「回すところは回す」といった選択の質が上がっています。府中ダービー・東芝戦でも、パスを渡す前のタメやキックパスなども冴え渡っていました。つまり「最高の見極め」ができているということです。W杯の成功体験で、SOのサポートや周囲のコンビネーションを生かすような、いわば“接着剤”のような役割が自分の仕事・居場所だと確信を持てたのではないでしょうか。
実は、私の引退試合の“トイメン”は中村亮土でした。そういった縁がある選手が日本代表で「12番」を背負い、こうやってTLの舞台でも活躍している。人一倍期待をしてしまうのですが、だからこそ、それを上回るような前半戦のプレーぶりには感銘を受けました。
もちろん、自ら得点源になる能力も長けているので、今後サントリーの中でどんなパフォーマンスを見せるか楽しみ。「ベスト15」を目標に掲げていたようですから、キャプテンとしてのプレッシャーを背負いすぎず、個人のパフォーマンスにもしっかりフォーカスして日本代表のCTB争いを盛り上げてほしいです。