ラグビーPRESSBACK NUMBER
TJ・ペレナラだけじゃない! とにかく面白かったTL前半戦、大西将太郎が絶賛する“12番”&“ポスト福岡堅樹”とは?
posted2021/03/23 11:02
text by
NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph by
Naoki Nishimura/AFLO SPORT
雨の影響で中止になっていた第4節の延期分も終えて、これで今シーズンの半分、前半戦(全7節の後にプレーオフトーナメントで年間順位を決定)が終了しました。
開幕がずれ込むなど、コロナ禍の影響を受けましたが、こうやって毎週のように試合を行えているのは関係者の方々の努力のおかげ。選手たちはそんな感謝の思いをエネルギーに変えて、思い切りラグビーを楽しんでいる印象を受けますね。
それを物語るように前半戦はとにかくおもしろい試合が多かった。昨シーズンと単純に比較してもトライ数が多く、スコアに大差がついた試合でも、それぞれに見どころがありました。
躍進するNTTドコモ
今シーズンのTLは《レッドカンファレンス》《ホワイトカンファレンス》の2つに分けてリーグ戦が行われていますが、特に《ホワイト》は混戦模様ですね。その台風の目になっているのが、NTTドコモの躍進です。
出色のパフォーマンスを見せているオールブラックスのSH、TJ・ペレナラ(新加入)の存在は大きいですが、ヨハン・アッカーマンHCのチームを1つにするコーチングスキルにも注目したいですね。彼は母国の南アフリカで年間最優秀コーチ賞を3度も受賞しているチーム形成のスペシャリスト。的確な補強、戦術の明確化、モチベーションの提供と、たった1年でこんなに変われるんだということを証明しました。リーグ全体にも良い影響を与えているなと感じています。
選手を中心に前半戦を振り返るならば、やっぱりTJ・ペレナラは挙げざるを得ませんよね。タックルは強いし、キックも蹴れて、走れて、なおかつ試合を決定づけるような先を読む力がある。劇的なトライで試合を決定づけるシーンは、さすがとしか言いようがありません。
そして何よりFWとBKを繋ぐ、コミュニケーション能力が抜群。ピッチで一番喋っているのは彼でしょう。SHという仕事がいかに重要で、パスを投げるだけでなくできることがたくさんあるかを改めて教えてくれたような気がします。
同じくオールブラックスの司令塔、ボーデン・バレット(サントリー)も常にコミュニケーションをとっていますよね。トライなど派手なプレーに目が行きがちですが、一流の選手たちはそこの質が違う。チームが勝つために彼らが何をしているか、そういう部分にも注目してもらえるとラグビーをより一層楽しめると思います。