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「所属がなくなってどうなるかと思った」 内村航平新スポンサー決定のウラ側とユニフォームの“あるポイント”
text by
矢内由美子Yumiko Yanai
photograph byYumiko Yanai
posted2021/03/20 17:01
記者会見にのぞんだ内村。東京五輪代表選考会を兼ねる全日本体操個人総合選手権を前に所属先が決まり、その表情は柔らかかった
新ユニフォームのデザインに笑顔も
会見では「JOYCAL」の「A」の部分に皇帝ペンギンのイラストがあしらわれた新ユニフォームのデザインも披露された。
内村は「ペンギンが冠をかぶっているじゃないですか。今もそうかわからないですが、“キング”と呼ばれているので、共通点を感じるなと思います」と笑顔を見せた。
そして、しみじみと言った。
「ここ1年はイレギュラーすぎて、どうしていいかわからない日々が続いていて、その中で所属がなくなった。あらためてプロの世界でやっていく厳しさや、所属契約してもらえるありがたみを知った」
けが。東京五輪の延期。所属先の変更など、さまざまな荒波をくぐってきた内村が目指すところは種目別の鉄棒一本に絞って挑む東京五輪の金メダルのみだ。体操では今年に入ってからも国際大会の中止が相次いでおり、個人枠での五輪出場権の獲得プロセスがますます複雑になっているが、目標がブレることはない。
「今の調子は普通。開催されるであろうと思い、信じてやっている。そこに対しての気持ちは変わっていない」
淡々とした口調の奥に覚悟をにじませた。