ともに北摂出身「特別なものはある」

　大きな自信を手にした藤原は3年生になるとさらに華やかなプレーヤーに昇華していく。18年に春夏連覇、夏の甲子園では3本塁打と一躍、プロ注目の選手に躍り出た。ひと足早くプロ入りした安田も、その活躍を励みにプロ1年目から一軍で初安打、初打点、初本塁打を記録するなど、プロの壁にもがき苦しみながらも前に進んでいた。そして19年から2人はチームメートとなる。

「やっぱり1歳年下で地元が同じ大阪の北摂といわれるエリアと近い。特別なものはあります」（安田）

　安田は大阪府吹田市出身、藤原は大阪府豊中市と隣の市出身。安田は小学6年生の時に阪神タイガースジュニアでNPB12球団ジュニアトーナメントに出場し、グループリーグ敗退。一方の藤原は同じく6年生の時に、こちらはオリックス・バファローズジュニアとして出場し3位となっている。同じような道を歩みながらも少し異なる経歴で2人はマリーンズでチームメートとなり、今は刺激をしあう間柄である。

最年少本塁打＆最年少猛打賞

　安田3年目、藤原2年目を迎えた昨季、両者はともに一軍のスタメンに名を連ねるようになった。印象深いのは福岡でのホークスとのクライマックスシリーズ（CS）。初戦で安田は7番サードで出場し、2回にホークスの絶対的エース千賀滉大投手から右翼に先制2ランを放った。21歳6カ月で記録したこの本塁打はパ・リーグではCS最年少本塁打となった。2番センターで出場した藤原も、初戦こそ無安打に終わったが、2戦目は負けじと猛打賞をマーク。20歳6カ月でCS最年少猛打賞を記録した（なおこの試合で安田も猛打賞）。

　惜しくもCSで敗れたが、翌朝には休むことなく一軍本隊から離れ、教育リーグであるフェニックスリーグが行われる宮崎へ飛び、研鑽を重ねた2人。年が明けた1月には、さらなる成長を望む安田が佐賀で自主トレを行うホークスの柳田悠岐外野手に弟子入りをすると、藤原もそれに続いた。石垣島での春季キャンプでも2人は競い合うようにバットを振り続け、全体練習が終わったあとに特打が行われる時、2人の姿は必ずといっていいほどそこにあった。お互い刺激し合いながら、高め合う。プラスの相乗効果をもたらしている。

「彼の思いきりのいい打撃をいつもさすがだなと思って見ている。刺激になる。切磋琢磨しながら、これからもやっていけたらと思う」（安田）

「打撃ではいつも負けたくないと思ってやっています」（藤原）

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