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いまやロッテで同僚、履正社・安田尚憲と大阪桐蔭・藤原恭大が2017センバツ決勝“大阪対決”を振り返る
posted2021/03/18 11:04
text by
梶原紀章(千葉ロッテ広報)Noriaki Kajiwara
photograph by
Sankei Shimbun
安田尚憲内野手と藤原恭大外野手。マリーンズの誇るドラ1コンビである。
安田が履正社高校から2017年ドラフト1位で3球団競合の末に入団すると、藤原は翌18年に大阪桐蔭高校から同じく3球団競合の中、1位でマリーンズ入り。2人は将来のマリーンズ打線を長らく引っ張る存在として大きな期待を集めている。
「まさかプロで一緒のチームに入るとは思っていなかったですね」と、安田は高校時代を振り返りながら、そう懐かしむ。
センバツ決勝で実現した“大阪対決”
2人が初めて互いを意識するようになったのは安田が高校2年だった秋の大阪大会。舞洲で行われた試合で安田は、バックスクリーン横にアーチを掛けている。1年生ながらセンターを守っていた藤原は、さく越えをする強烈な打球をただ目で追うしかなかった。今でもその打球は脳裏に残っているという。
「第一印象はデカい人だなあと。パワーもあって凄い打球を打つ人だなあと思いました」(藤原)
大阪桐蔭と履正社――藤原が「ライバル意識は強い」と話すように、大阪の名門高校対決はいつも注目の的である。この秋の大阪大会では履正社が勝利したが、その後、2校は翌春にも激闘を繰り広げた。
今でも語り草となっているのが17年センバツ、大阪の誇る2強が激突した決勝戦。
この大会、藤原はスランプに陥っていたが、1番センターでスタメン出場をすると大舞台で力を発揮した。初回に右翼スタンドに先頭打者本塁打を放ちチームを勢いづけると、回の先頭でまわってきた6回にも再び右越えに本塁打。さらに9回には三塁打で猛打賞。チームを8-3の勝利に導いた。
3番サードで出場した安田は3打数1安打。目の前にあった“栄光”を奪い取っていった相手チームの1番打者が放つ華やかな光をいまも記憶に残している。
「とにかく思い切りのいい打者だなあと思いました。足も速かったし、その後の活躍もやはりという感じ」(安田)
一方の藤原も、この試合がその後の野球人生を振り返った時のターニングポイントになったと振り返る。
「それまでずっと打っていなかった。最初に3点をリードして8回に追いつかれて、9回に勝ち越すという劇的な試合でもあった。本当にナイスゲーム。高校時代の数ある試合の中でも思い出深い試合ですし、ボクの中でも手ごたえを掴んだ」