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ついに憧れの“マーチマッドネス”の舞台へ 日本女子バスケの至宝・今野紀花が強豪ルイビル大で飛躍

posted2021/03/18 11:02

 
ついに憧れの“マーチマッドネス”の舞台へ 日本女子バスケの至宝・今野紀花が強豪ルイビル大で飛躍<Number Web> photograph by University of Louisville Athletics

3月5~7日のACCトーナメントで今野は3試合全てに出場し平均5.3得点。FG成功率77.8%、3P成功率50.0%と高確率でシュートを決めた

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青木崇

青木崇Takashi Aoki

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University of Louisville Athletics

「マーチマッドネスに私も出るんですよね。夢みたいです」

 3月21日(現地時間)から開幕するNCAAトーナメントでプレーできることの感想を聞かれて、今野紀花は満面の笑みを浮かべながらこう返答した。

 3月7日のACC(アトランティック・コースト・カンファレンス)トーナメント決勝、ルイビル大は残り2秒に決勝点を奪われ、ノースカロライナ・ステイト大に56対58で惜敗。しかし、大黒柱のダナ・エバンスが決まれば逆転ブザービーターというシュートを放った大事な最後の局面でも、20分の出場時間を得ていた今野はコート上にいた。勝てばNCAAトーナメントに自動的に出場権が得られるビッグゲーム。終盤の緊迫した場面で今野が起用されるというのは、ルイビル大に入学してからほとんどなかった。

 起用の伏線はあった。72対59で勝利した準決勝のシラキュース大戦で、今野は11分間の出場で2本の3Pシュートを決めるなど10点を記録。ジェフ・ウォルツコーチは試合後、今野が試合に大きな違いをもたらす活躍をしたと称賛した。

「紀花は攻防両面で素晴らしい時間を作ってくれたし、すごく誇りに思う。彼女は本当に一生懸命にやっていたから、すごくいい気分だ。昨シーズンからオフにかけてひざの問題を抱えていたけど、彼女はそのことにしっかり向き合っていた。トレーナーも素晴らしい仕事をして彼女をコートに戻してくれた」

 ACCトーナメント決勝に敗れた後も、ウォルツコーチが「今日もいいプレーをしていたと思う」と語ったことは、今野がNCAAトーナメントでも活躍することへの期待を膨らませてくれた。しかし、ここまでの道のりは非常に険しいものだった。

 宮城県仙台市にある聖和学園高時代にNCAAの強豪ルイビル大からリクルートされた今野は、アスリートとして奨学金をもらえるスカラシップ選手として、2019年8月にアメリカへと旅立った。当時AP通信ランキング1位だったオレゴン大に勝った試合では、昨年WNBAドラフトNo.1でニューヨーク・リバティから指名されたサブリナ・ユネスクからチャージングを奪うなど、控えながらも即戦力として出場時間を得ていた。

 しかし、渡米する前から抱えていたひざの痛みが時の経過とともに悪化していた今野は、昨年2月2日に行われたアメリカ代表とのエキシビジョンが、昨シーズン出場した最後の試合になってしまう。新型コロナウィルス感染拡大でNCAAがシーズン途中でキャンセルとなる少し前の3月上旬、ひざの手術を受けた。

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今野紀花

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