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バルサ会長選、現地在住なので投票してきました… クライフイズムの改革者ラポルタは“再び”再建できるのか
text by
工藤拓Taku Kudo
photograph byTaku Kudo
posted2021/03/12 11:03
3月7日に開催されたバルサの会長選。ラポルタ新会長もカンプノウ周辺を歩いていた
再建の難易度は前回就任時よりもアップしている
「クラブがあなたのために何ができるかを考えるのではなく、あなたがクラブのために何ができるかを考えてほしい」
若者が絶賛していた演説には、どこかで聞いたことのあるフレーズが含まれていた。"本家"ケネディーが大統領就任演説で発した、有名な一節をもじったものである。
かつて「バルサのケネディー」と呼ばれた男は、過去の栄光と自身の人気だけを駆使して、今回の選挙戦をあっさり制してしまった。ただ、大変なのはこれからだ。
パンデミックの影響が続く中、10億ユーロ超の負債を抱えるクラブ財政を早急に立て直しつつ、世界一の高給取りであるメッシを慰留し、さらに世代交代を進めながら、CL制覇を狙えるチームを作る。その難易度は2003年の就任時以上だろう。
58歳にして表舞台に返り咲いたラポルタは、はたして過去の成功を繰り返すことができるのか。少なくとも、本人は自信満々だ。
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