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長谷部誠「次が最後の1年」と言い続けて…37歳の今も現役&契約延長 もはや“悟りの境地”レベル
posted2021/03/13 17:02
text by
中野吉之伴Kichinosuke Nakano
photograph by
Getty Images
フランクフルトで活躍する元日本代表キャプテン長谷部誠を称賛する言葉が、そろそろ底を突いてきているのではないだろうか。
奥寺康彦氏が持っていたブンデスリーガ通算234試合という日本人出場記録を抜いて、韓国のチャ・ブンクン氏が打ち立てた308試合というアジア人記録を塗り替え、気づけば重ねてきた試合数は331試合。350試合出場が、すぐそこまできている。
「すごい」とか「素晴らしい」とか「特筆に値する」という賛辞では明らかに物足りない。「不死鳥のごとく」と言っても、そもそもコンスタントにプレーし続けているのだから、蘇ったというニュアンスも感じさせない。
年齢という先入観を打ち壊してくれる心地よさ
僕らは、物事を既成概念で考えがちだ。
一般論として、37歳になる日本人選手がトッププロとして、それも世界トップクラスのブンデスリーガにおいて、しかもチャンピオンズリーグ出場権を狙うクラブの主力として活躍して契約延長を勝ち取れるなんて、思いもしない。
しかし、そんな僕らの先入観を打ち壊してくれる選手が実際にいる。やっぱり、すごいとしか言えないし、そうやって驚かされるのはなんとも心地がいい。
今季の長谷部は年齢的にもコンディション的にも3バックのセンター、リベロの役割を担うと思われていた。そこでポジションを獲得できるか否か。
ところが、序盤はリベロでプレーしていたが、第14節のレバークーゼン戦ではボランチを務めた。昨季もボランチで大活躍した試合があったが、インテンシティが高く、走力も要求されるポジションである。しかも相手はハイスピードを武器にし、その時点では3位につけていたレバークーゼンだ。果たして大丈夫なのか。