2020年M-1・全員インタビューBACK NUMBER
「お笑いは復讐劇なんだよ!」ウエストランドが明かすM-1ネタ中に審査員・松本人志を“何度も”チラ見した理由
posted2021/03/14 11:02
text by
中村計Kei Nakamura
photograph by
M-1グランプリ事務局
9位に終わったものの「お笑いは復讐劇なんだよ!」の毒フレーズで爪痕を残したウエストランド。じつはその際に審査員の松本人志を何度もチラ見していた井口さん。その理由を聞いた。(全3回の2回目/#1、#3へ)
――決勝進出が決まると、いろんな人がアドバイスをくれるようになると言いますが、お2人はいかがでしたか。
井口 それはほとんどなかったですね。事務所自体、ファイナリストを出したのが初めてでしたし。事務所の先輩である爆笑問題さんは、「開き直ってやれ」みたいなことは言ってくださいましたけど。まあ、経験値から言っても、うちの事務所だと爆笑さんぐらいしかアドバイスをくれるような人はいないんで。河本は、自分の立ち位置だと、審査員がどうしたって目に入る。そうすると、こいつのことだから、緊張しちゃうじゃないですか。その対策を太田さんに聞いたら、「先に思い切って見たほうがいいんじゃない?」みたいなことを言ってくれましたね。
河本 井口に「立ち位置代わってくれ」ってお願いしたんですけど、ダメだって言うんで。
井口 おかしいだろ。代わったら。
「決勝用に3万円のクツを奮発しました」
――本番は衣装を新調したりする人もいますが、お2人はどうされたのですか。
井口 靴は新しくしました。ちょっと奮発して。ただ、完全な衣装用にしてしまうのはもったいないので、プライベートでも履けるような靴にしましたけど。
――おいくらぐらいだったのですか。
井口 3万ぐらい。僕らにとっては夢のような大金ですよ。
――本番の出番順は、最後の10番目でした。前大会、10番手だったぺこぱは、笑神籤の中に「(自分たちの名前が)入ってないんじゃないかと思った」と話していました。
井口 僕らも思いましたね。「ちゃんと入ってるのかな?」って。じつはリハーサルでも僕ら10番だったんですよ。
――そうだったんですか。
井口 リハから2連続ラストで、ちょっと疲れましたね。どんなライブや番組でもネタ順が決まってないなんてこと、ないじゃないですか。クジが引かれるとき「呼ばれるかな」と緊張して、「ああ、違った」となる。それを繰り返すのは、やはりしんどい。1番手、2番手は嫌ですけど、3番目ぐらいからはみんな「呼んでくれ」みたいな感じになっていました。
「M-1の階段で足を踏み外しかけた」
――名前を呼ばれて、せりで上がっていくときはどうでしたか。