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「支援はブームじゃない」小林悠が語るフロンターレと陸前高田、サッカー教室だけではない10年間
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byKAWASAKI FRONTALE
posted2021/03/10 11:02
陸前高田の子供たちにサッカーを教える小林(2015年撮影)
選手たちも「風化させない」という思いは同じ。ピッチで結果を出し、喜んでもらい、サッカー教室や募金活動というベースを大切にしていく。
小林は引退した中村憲剛の思いも引き継ごうとしている。
「活動を始めたころ、僕はまだ若手でした。チームの顔である憲剛さんが大声を出して募金を呼び掛けている姿は、今でも目に焼きついています。あれだけの選手が、これだけ一生懸命やっているんだ、と。もちろん憲剛さんだけじゃなく、フロンターレにはそういった先輩が多くいました。だから僕も後輩たちに見せていかなきゃいけない。
選手たちも若くなってきていて、東日本大震災のときにはまだ小学生だった選手もいます。フロンターレがどんな活動をしてきたのかということも伝えていく必要もあると思っています」
「子供たちの笑顔に会いたいっていうのが一番です」
昨年はコロナ禍で選手会主催のサッカー教室を開催できなかった。今年もまだ見通しは立っていないものの、小林は再会できることを楽しみにしている。
「また陸前高田に行って、子供たちの笑顔に会いたいっていうのが一番です。みんな多分、大きくなっているんでしょうね(笑)」
奇跡の一本松が見守るスマイルの呼応する交流はこれからもずっと──。
陸前高田の隣には、いつも川崎フロンターレがいる。
川崎フロンターレの隣には、いつも陸前高田がいる。