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セリエA監督今季6人目のクビ…“1300km自転車男”など 降格阻止を託された男たちの明暗 

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弓削高志

弓削高志Takashi Yuge

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posted2021/03/05 17:00

セリエA監督今季6人目のクビ…“1300km自転車男”など 降格阻止を託された男たちの明暗<Number Web> photograph by Getty Images

3月に解任となったクロトーネのストロッパ監督。今回は今季これまで監督交代に踏み切った5クラブの状況を整理し、その決断の吉凶を占う

トリノが直面するコロナとの戦い

 就任後3試合目でぶつかった強豪アタランタとの21節、アウェーでのゲームで3点をリードされた後、怒涛の反撃で3-3のドローに持ち込み、これぞトリノという戦いぶりを示した。選手と一心同体であるという彼の言葉が振るっている。

「誰よりもまず自分たち自身を信じろ。俺はお前らのためなら火の中だろうが飛び込んでやる」

 冬の移籍市場ではFWサナブリア(前ベティス)やMFマンドラゴラ(前ウディネーゼ)といった注目銘柄を獲得して戦力を増強したが、強敵は新型コロナウイルスだ。

 新戦力サナブリアの陽性が発覚しただけでなく、先月23日にはクラブ内でクラスターが発生し、24節サッスオーロ戦が延期になった。続く3月2日のラツィオ戦も延期となり、過密化必至のカレンダー消化が今後の課題といえる。

浮上の兆しが見えないパルマ

 前述の2クラブとは対照的に、監督を代えても浮上のきっかけをつかめず苦しんでいるのが現在19位のパルマだ。

 開幕から采配を振るっていたリベラーニ監督は、引き分けを1つ挟んで10連敗という不名誉な記録とすっかり自信を失ったチームの渦中にあって、1月7日にクラブを追われた。

「(19位という)順位がプレーを萎縮させている。選手たちはグラウンドで冷静な気持ちになれず、やられっ放しだ」

 後任のダベルサ監督がそう憤慨するように、今のパルマは腰が引けて、とにかく点が取れない。

 24節を終えて19得点はリーグワースト。新エースとして期待が高かったFWコルネリウスの大不振が響いている。

 チームは昨年11月末のジェノア戦から勝ち星に見放されており、仕切り直しの1勝が遠い状態だ。大きな山場と見られていた先月下旬の23節ウディネーゼ戦と24節スペツィア戦では、いずれも2-0とリードしながら追いつかれる脆さを曝け出した。

 4部から奇跡の連続昇格を果たし、昨季11位残留という大戦果をもたらしながらオフに理不尽に解任された闘将ダベルサは、出戻りオファーに内心忸怩たる思いはあるだろう。徹底した職人気質ダベルサは、その頑固な性格ゆえに背広組との軋轢も噂されている。

 現在の苦境を招いた原因が、開幕前の経営陣の交代とともに断行した稚拙な現場の体制変更にあることは明らかで、一度糸が切れてしまった今のパルマを立て直すのは、相当な難行だろう。

【次ページ】 元アズーリ指揮官が復帰したフィオレンティーナ

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