スポーツ名言セレクションBACK NUMBER
星野仙一「悪いイメージができた以上、新天地に」、江川卓「そう興奮しないでください」…トレードが騒ぎになった日
text by
NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph byHideki Sugiyama
posted2021/03/04 11:00
春季キャンプでファンや報道陣に囲まれる阪神・星野監督(当時)
代わりはいくらでもいるのがメジャー
<名言2>
いつ戦力構想から外れてクビを切られるかは分かりませんから。代わりはいくらでもいるのがメジャー。そこは日本とまったく違うところです。
(上原浩治/787号 2011年9月15日)
◇解説◇
メジャー3年目の2011年シーズン、トレード期限目前の7月30日にオリオールズからレンジャーズへのトレード通告を受けた上原は、「予想もしてなかったし、どうしていいのか分かんなかったです」とメジャーの流儀に戸惑ったという。
だが、このトレードはプレーオフ進出を目指す複数の上位球団が熾烈な争奪戦を繰り広げた末の移籍でもあった。
高い評価を受けたことを知りつつも、上原は決して驕りたかぶることはなかった。生存競争の厳しさを肌身で感じつつ、“雑草魂”で勝負し続けたのだ。
まだ0勝の江本にかけた言葉
<名言3>
お前、ワシが受けたら10勝するな。
(野村克也/722号 2009年2月5日)
◇解説◇
プロ2年目で東映から南海にトレードされた江本孟紀は、プレーイングマネジャーであった野村に開口一番、この言葉を投げかけられたという。
このとき江本はまだ0勝である。江本は「あの人の指導はね、その人の持っている何かを、潜在的な何かを、プンと引き立たせる言葉をかけるんですよ。ある種の刺激をね。それに策を弄する」と野村流の“言葉力”を評した。