2020年M-1・全員インタビューBACK NUMBER
視聴者予想1番人気なのに…8位に終わったアキナの屈辱「M-1のあと誰からもLINEが来なかった」
text by
中村計Kei Nakamura
photograph byShigeki Yamamoto
posted2021/03/07 11:03
2020年M-1で2度目の決勝進出。8位だったアキナの山名文和、秋山賢太(右)
秋山 楽屋でみんなで観てました。トップバッターが見取り図で、これは見取り図がいったなと話していて、次、マヂカルラブリーが出てきて、うわ、こっちかとなって。最後、おいでやすこがさんのネタを見たときは、1本目の貯金も考えると、ここもあるな、と。票割れるんちゃうかと言っていたら、本当に割れましたね。3票、2票、2票でしたもんね。
山名 でも、優勝したマヂカルラブリーの2本目はやっぱりすごかった。僕は喫煙所のテレビで観てたんですけど、動きがながーいボケになってるから、お客もずーっと笑ってるんです。あれ、かっこええな。あのウケ方は幸せやろなと思います。芸人冥利に尽きますよ。
――あれだけボケ続けるのは動きだから可能なのでしょうか。
山名 いや、しゃべりでも、ああいう状態は起こせると思いますよ。今度は僕らがしゃべりでそれをやってみせますよ。
――それにしても今大会のアキナを観て、改めて、漫才師は怖い商売だなと思いました。
秋山 全国ネットであれだけ恥ずかしい思いをしたら、長いこと立ち直られへんなって思ってたんです。でも、周りの皆さんがやさしくしてくれたお陰で、なんとか立ち直れましたね。まだ、思い出すと、ウッとなるときはあるんですけど。
――M-1後の最初の舞台は、やはり嫌でしたか。
山名 ちょっと怖かったです。どう思われてんのやろみたいな。
秋山 でもお客さんの顔を見て、すぐに安心しました。表情が「待ってたよ」という感じで、あったかかったので。
――今回のマヂカルラブリーもそうでしたが、M-1という大舞台で味わった屈辱は、とてつもなく大きいぶん、次に向かうにあたって、とてつもなく大きなエネルギーにもなりうるのだと思います。
秋山 絶対なりますよ。
山名 そうならないと絶対、嫌ですもん。
(【初回を読む】M-1予選バカ受け、アキナはなぜ“あの4分間だけ”スベったのか?「“日本の前”でスベって…地獄です」 へ)
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(写真=山元茂樹)