秋山　おいでやすこがとマヂカルラブリーのパワーがそれだけすごかったということだと思います。

――すごかったですね。あの2組のあとに出てきたコンビは、なんか大人しく見えてしまいました。

秋山　でも、あんなに恥ずかしい思いをしたの、初めてでしたね。

山名　大阪、帰られへんと思ったもんな。

秋山　全国放送の賞レースのあとなのに、身内の誰からも連絡がなかったんです。そんなの、初めてですよ。周りにも気を遣わせてしまった……。決勝が決まったときはブワーってLINEとかにメッセージが送られてきて、中には「誰やろ？」みたいな人もおったのに。

当日の朝、半紙に「優勝」と書いた

――点数が出た後、2人は「恥ずかしい、恥ずかしい」と連発していて、芸人って、やっぱりすごいなと思いました。本当は触れたくないだろうに、あえて自分からウケなかったことをネタにして、少しでも笑いに変えようとされていて。あまりに何度も「恥ずかしい」という言葉を繰り返していたので、これはボケてるだけなのかなとも思いましたが、本音は本音だったわけですよね。

秋山　本音でしたね。そういう顔は見せたくないから、冗談っぽく言ってましたけど。今思い返すと、本番を迎えるにあたって、僕も、山名君もカッコつけてばっかりいたんですよ。それも恥ずかしくて。

山名　僕はプライベートで書道をやるんですけど、M-1の密着カメラがついてきていたので、当日の朝、墨で「優勝」って書きました。行きの新幹線では、インスタに空だけを撮った写真をあげちゃったり。めっちゃ、ハズイ。

秋山　僕は舞台では、いつもスーツの中に白いTシャツを着てるんです。でも決勝はスタッフさんが舞台衣装を用意してくれるというのでお願いして、襟付きのシャツに蝶ネクタイを締めてるんです。あれも、終わってみると恥ずかしい……。今度からは、絶対、普段通りの舞台衣装にします。

――そういう話を劇場でもあえてして、爆笑をとっていたそうですね。

秋山　そのために5回くらい自分たちのネタを観返しましたから。観たくなかったですけど。このときはこうやったなみたいなのを頭に入れて、自分たちで自分たちのことをいじれるようにしとこう、って。

山名　でも僕はダメですね。絶対、観返せない。

マヂカルラブリーの2本目「あれ、かっこええな」

――3組での最終決戦はご覧になっていたのですか。

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