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本田圭佑の移籍不成立に「いい気味だ」 ボタフォゴファンから痛烈な皮肉…降格で救世主から嫌われ者に
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byGetty Images
posted2021/03/02 17:00
フットボールにおける本田圭佑のブラジル挑戦は、決して成功とは言えなかった
「幸せなのはお前だけ」「俺たちを見捨てるのか」
「幸せだったのはお前だけ。今季、俺たちは最初から最後まで苦しんでいる」
「お前を一番必要としているときに、俺たちを見捨てるんだな」
「アンバサダー? 何様のつもり?」
地元メディアは、「ボタフォゴが低迷した最大の理由は、財政難や頻繁な監督交代などクラブ首脳の不手際にある」としながらも、「本田は期待を裏切った」、「ボタフォゴの本田獲得は失敗だった」と断じた。
本田がピッチを去ってから、ボタフォゴは坂道を転がり落ちた。1分7敗という惨憺たる成績で、2月5日、4節を残して早々と降格が決まった。
本田がリオに降り立ち、ファンから盛大な歓迎を受けてからちょうど1年後のことだった。
「別の契約を破棄しているんだろ?」
1月初め、本田はポルトガルへ飛んだ。ポルティモネンセの施設、チーム状況などをじっくり視察。2月4日、自身の音声配信サービスでポルティモネンセ入りを発表した。
ところが、冬の移籍期間の最終日である2月1日までに契約を完了しなかったため、リーグへの選手登録が叶わなかった。
2月12日、本田が自身のツイッターで「ガチで登録できなかったみたいです。これからどうしようか議論します」と伝えると、ボタフォゴ・ファンからは「いい気味だ」といった反応が。
その2日後「(クリスティアーノ)ロナウドは車、メッシ、ネイマールはゲーム。ケイスケホンダはオフに何してる?」とつぶやいた際にも、「また別の契約を破棄している」、「楽しいパーティーだろ?」といった刺々しい返信があった。
ボタフォゴ退団を発表した後、チームメイトを招いて自らお別れパーティーを行なったことを、ブラジルでは「残留争いの真っ只中に」、日本では「新型コロナウイルスの感染拡大の状況で」と痛烈に批判された。そのことを揶揄されたのである。