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筒香と同じ“5年目の大ブレイク”へ 細川成也に「同級生・阪神の佐藤輝明は気になりますか?」と質問したら…
text by
石塚隆Takashi Ishizuka
photograph byKYODO
posted2021/03/01 17:04
春季キャンプで特大ホームランも見せた細川。昨季はイースタン・リーグで13本塁打、53打点、出塁率.448の成績を残し、“三冠王”に輝いた
「練習試合では変化球を前でさばけていて、これは今までとは違ういい感覚で、手応えを感じています。基本的に僕のスタンスは、甘いボールを確実に打ち返すこと。練習試合でも甘いボールをファウルにすることなく仕留めることができていますし、まだスタートしたばかりですけど、できなかったことができてきている感覚はすごくあるので、目で見て体で学び成長していきたい」
冒頭でも述べたように、予定通り来日していればレギュラーであろうタイラー・オースティンの出遅れが予想され、またFAで巨人へ移籍した梶谷隆幸が抜けたことを考えれば、細川は十分開幕スタメンを狙える存在だと言っていいだろう。
「毎年勝負だと言っていますが、段階は確実に踏めているので、今シーズンこそレギュラーをとって活躍したい。本当、考えているのはシンプルにそれだけですね」
筒香嘉智が大ブレイクしたのも入団5年目
細川は今年の大卒選手と同じ年代となる。下世話だと思いつつも阪神の大砲候補である佐藤輝明は気になるかを訊いてみた。すると細川は眉ひとつ動かさず淡々と答えた。
「同年代には負けたくないという気持ちはありますが、気にはなりませんね。まあニュースなどで取り上げられていますが、自分も結果を出せば問題ないことですし、しっかりと自分に集中してシーズンを過ごしたい」
キャリア5年目の落ち着きとプライド。とりまくオーラは老練ささえ感じさせた。
2017年のデビューイヤー、表情にあどけなさを残していた細川は、NPBが2リーグ制になった1950年以降、高卒新人として初めてデビュー戦から2試合連続して本塁打を放っている。大きなアーチを描く、パワーを感じさせるホームラン。多くの人が細川という存在に夢を見て、期待に胸を膨らませた。それに細川に「スイングを変えるな」と金言を授け、海の向こうへ旅立っていった、細川が尊敬してやまぬ筒香嘉智が大ブレイクしたのは入団5年目のことだった。
覚悟のシーズン、いよいよ機は熟したのか刮目したい。