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堂安律に攻撃を“依存”するビーレフェルトに「危険な男」奥川雅也が加入 1部残留のカギは2人の日本人が握る
text by
中野吉之伴Kichinosuke Nakano
photograph byGetty Images
posted2021/02/27 17:02
12年ぶりのブンデス挑戦となっているビーレフェルト。そのチームにおいて攻撃を司っているのが堂安律だ。また、今冬には奥川雅也も加入しており、2人の日本人選手はチームを残留に導く活躍を見せられるか
同じ日本人選手の存在は何よりの助けに
シーズン途中に訪れる冬の移籍は難しいと言われる。しかも、移籍市場が閉まる直前での加入となれば、順応するための時間は多くはない。
そんな奥川にとって、「ゲビィ(クリスティアン・ゲバウアー)は近くに住んでいるからよく会いに行っています。恋人と同居しているんですけど、気にせず遊びに行っています(笑)」といった具合に、すっかりチームに馴染んでいる堂安の存在は助けになっている。
「もちろん、同じ言葉で話せるのは大きな助けになっています。おかげで、より安心して過ごすことができています。まったく新しいクラブに来て、そのクラブのプレーアイデアを素早く理解するというのは1つのチャレンジですから」
デビュー戦。敗戦の中で示した希望
第22節のヴォルフスブルク戦、奥川は60分から途中出場を果たし、新天地でデビューを果たすと、切れのある動きで攻撃にアクセントをつけた。
68分には、右サイドで3人に囲まれながらも粘り強くボールを収め、味方へパスを通した。77分には、左サイドからドリブルで切り込みFKを獲得。85分には、ペナルティーエリアまで侵入してシュートに持ち込むなど、0-3で敗れた試合の中で少なからずの希望を残した。
2人の日本人が灯す残留への道標
ビーレフェルトはスペクタクルなサッカーを展開するチームではない。
うまくいかない試合では「本当に1部のクラブか」と目を覆いたくなるようなミスが散見することもある。奥川もまた、狙い通りのプレーができずにイライラすることだってあるだろう。
だが、ビーレフェルトは戦い抜くことから目を背けないチームだ。
チーム総走行距離はウニオン・ベルリンに次いでリーグ2位の数値を誇る。第22節を終えて、降格プレーオフ圏内の16位。もちろん、残留を確定させるまでにはまだまだ長い道のりが待ち受けているが、15位のヘルタ・ベルリンとは勝ち点で並んでおり、自動残留圏への視界だって悪くはない。
1部残留へ向けて、2人の日本人がどんなプレーでこのチームを助けていくのか。共演の連続で、貴重なゴールと勝ち点をもたらしてほしいものだ。