「普段の練習で伸二さんと対戦しているので」

　前回在籍時には「普段の練習で伸二さんと対戦しているので、試合でどんなにハイレベルな相手とマッチアップしても怖くない。普通に考えて、伸二さんよりうまい選手はいないから」と言う選手もいたほどである。精神的にも実質的にも小野の存在というのはあまりにも頼もしい。

2019年の小野©Kiichi Matsumoto

「求められていることはいくつもあるけれど」

「チームから求められていることはいくつもあるけれど、基本的には『僕らしくやってくれ』ということ。もちろん1年半ぶりに帰ってきたからには前回とは違った部分も見せなければいけないと思っているけど、とにかく持てる力のすべてを出し切りたい」

　誰よりもサッカーを楽しみ、誰も予想がつかないようなワンプレーで観るものを魅了する背番号44。「医療従事者の方々をはじめ、僕たちサッカー選手にサッカーができる環境を作ってくれたすべての人に感謝をして、このシーズンに臨みたい」と、新たな戦いの幕開けに向けて気持ちを込める。

　加えて、様々な想いも胸中にあることだろう。圧倒的な経験値をチームにもたらす一方で、1年半前に一度、札幌を離れたという事実は確かに存在する。

「前回在籍時の最後のほうは試合になかなか絡めていなかったから、日々の練習で積み上げたものをどのように試合につなげていくのかといったようなところは周囲に伝えきれていない。今回はそういったところをしっかり見せていきたい」と小野。札幌でやり残したことがまだまだあるのだ。

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