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天才・小野伸二がコンサドーレ帰還… ミシャ札幌にもたらす3つの好影響と「シンジらしくやってくれ」
posted2021/02/25 17:00
text by
斉藤宏則Hironori Saitoh
photograph by
J.LEAGUE
「こっち(北海道)に着いたときは『思ったよりも雪が全然なくて、暖かい』と感じていたんだけど、いまパッと窓の外を見たらいきなり吹雪いているからビックリした。札幌に帰ってきた、という実感が湧きました」
今年1月中旬、新加入選手会見を直後に控えた小野伸二はそう言って笑みを見せた。1年半ぶりとなる札幌復帰。2014年夏から約5年間プレーをした北の大地に“希代の天才”が再び降り立った。
移籍の経緯としては、昨季をもってFC琉球との契約を終えたところに札幌から復帰オファーが届いたというのが大まかな流れだが、迷うことなどはなかったものの「即決ではなかった」と小野は言う。
「光栄だし心から喜んだ。でも、だからといって直ちに『はい、行きます』とはできない。心はほとんど決まっていたけど、しっかりとした答えを伝えなければいけない」とし、熟考したという。ピッチ上では一瞬のアイデアでスタジアム中を沸かせる天才が、ひとたびピッチを離れると見せる丁寧かつ誠実な生き様。ギャップと評するのは正しくないのかもしれないが、そうした部分もまた小野という選手の魅力なのかもしれない。
9月で42歳、年下が引退していく中でも
9月で42歳になる。年齢を重ねてからは毎年のことなのだろうが、この冬にも同世代の選手はもちろん、数多くの年下の選手も引退しユニフォームを脱いだ。
「いろいろな形があるのだと思うけど、いずれにせよ僕らの世界というのは自分が続けたいと思ったからといって続けられるものではない。必要としてくれるチームがなければ続けられないし、そこで戦えるだけのコンディションがなければ続かない。そのなかで幸い僕はこうして札幌という素敵な環境でまたプレーすることができる。1日1日を大切にしなければいけないという思いは、いままで以上に強くなりますよね」
気力はみなぎっている。「試合に出たい。他の選手に負けたくないという気持ちもいままで以上に高い」と表情を引き締めた。
小野復帰でもたらされる3つの大きなもの
小野の復帰によって札幌にもたらされるものは数多あると思うが、大きなものとしては3つ挙げられるだろう。