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天才・小野伸二がコンサドーレ帰還… ミシャ札幌にもたらす3つの好影響と「シンジらしくやってくれ」 

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斉藤宏則

斉藤宏則Hironori Saitoh

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photograph byJ.LEAGUE

posted2021/02/25 17:00

天才・小野伸二がコンサドーレ帰還… ミシャ札幌にもたらす3つの好影響と「シンジらしくやってくれ」<Number Web> photograph by J.LEAGUE

2019年の退団セレモニーで、ミシャから労われる小野伸二。コンサドーレ復帰でどんな妙技を見せてくれるか

交代枠が「5」だからこそ期待できる効果とは

 ひとつは得点力の向上。昨季の札幌はいいところまで攻め込みながらも決め切ることができず、内容と結果が伴わない試合が目立った。作ったチャンスの数は少なくない。ジェイ、A・ロペスという力のあるストライカーもいる。そこに小野をはめこむことで精度が高まり、崩しからフィニッシュへの流れのところで昨季までとの違いを生み出せることだろう。

 交代枠が5であることもまた、その部分を後押ししそうだ。

若手選手にとって小野は最高の教科書

 もうひとつはチームメイトの成長促進。野心的な若手選手が多い札幌にとって、ワールドカップやオリンピックの出場経験、さらには欧州のビッグコンペティションでの優勝経験も持つ小野が間近にいる意味は大きい。

 群馬県出身で「幼い頃は伸二さんのプレーを見るために関東圏のスタジアムに足を運んでいた」と明かすのは明治大から加入したルーキーの小柏剛。今年、小野とともにキャンプを過ごすなかで「あのプレーをこんなに近くで見られるなんて夢にも思っていなかった。とても貴重なことだと感じているし、いろんなことを学びたい」と続けている。札幌の今季初の対外試合となった1月24日の沖縄SV戦では、この小柏が今季のチーム初得点を奪ってみせた。

ミシャ体制の精神的支柱に

 そして3つめは精神的支柱としての小野だ。J1残留争いの常連だった札幌はミハイロ・ペトロヴィッチ監督が就任した初年度の2018年をクラブ史上最高のリーグ4位でフィニッシュした。翌年はルヴァンカップで決勝まで駆け上がった。

 前述したように、野心的な選手が揃う札幌は勢いづくとものすごい。ただし、その一方で昨季は歯車が噛み合わず、未勝利試合が長く続いた時期があり、それまでとは真逆のシーズンとなってしまっていた。新しい戦術にトライしていたことや過密日程になったこともその理由だろう。

 だが、「やっていることは間違っていない」「サッカーを楽しむことを思い出したい」と発しながらも苦しみから抜け出せずにもがいていた昨季の札幌に、もし小野がいたならばどうだったろうか?

 前出の言葉を小野も発してくれることで説得力が増し、より確信が持てていたのではないかと思う。

【次ページ】 「普段の練習で伸二さんと対戦しているので」

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