スポーツ名言セレクションBACK NUMBER
【全豪V】大坂なおみのクール&ちょっと笑える名言「食べすぎちゃった」「余計な考えが吹っ切れた」瞬間とは
text by
NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph byHiromasa Mano
posted2021/02/20 20:00
2年ぶり2度目の全豪優勝の瞬間、大坂なおみは満面の笑みで優勝の喜びをかみしめた
食べすぎちゃった&セリーナ戦快勝も、憧れは変わらないワケ
<名言4>
隔離期間に食べすぎちゃった。だって、それが一番の楽しみだったから。
(大坂なおみ/NumberWeb 2021年2月17日配信)
https://number.bunshun.jp/articles/-/847042
◇解説◇
あれほどまでの強さを見せていながらも、こんなホンワカとした発言をするのも大坂なおみである。
今回の全豪オープン前、大会側が用意したチャーター機に陽性者がいたことで、メルボルン入りした錦織圭らが14日間一歩たりとも部屋の外に出られないという状況になってしまった。
その一方で大坂はノバク・ジョコビッチやセリーナ・ウィリアムズらも参加したエキシビションイベントに出場するため、アデレード入りしての調整となった。その際、チームスタッフとの練習中の笑顔の写真をSNSに投稿した。本来なら何ら問題ないはずだが、“メルボルン組”の一部選手から反発を受けて削除するという小さな事件があった。
そういった外部の反応にナーバスになってもおかしくないところだが、あっけらかんと“食べ過ぎ”を告白するのは――大坂らしい愛嬌だ。
<名言5>
セリーナにはいつまでもずっとプレーしていてほしいから。子供みたいだけど、本当にそうなの。
(大坂なおみ/NumberWeb 2021年2月19日配信)
https://number.bunshun.jp/articles/-/847075
◇解説◇
大坂にとって憧れのテニスプレーヤーといえば、セリーナ・ウィリアムズであることは広く知られている。その“絶対女王”と、全豪準決勝の舞台で1年半ぶりに激突した。2018年全米ではセリーナの振る舞いに対して大ブーイングが起きるなど、揉め事の末に大坂が初のグランドスラム制覇を成し遂げたストーリーが生まれたが、今回の全豪はお互いがプレーに集中する好ゲームとなった。
39歳になったセリーナが見せた地力はさすがだった。第1セット第1ゲームでいきなりのブレーク、第2セットには会心のウィナーを決めて雄叫びをあげるなど、自らに流れを引き寄せようとする姿は、計23度のグランドスラム制覇を成し遂げているプライドをひしひしと感じさせた。
しかし、その女王に対しても大坂は怯まなかった。ウィナー数で20対12とセリーナを大きく上回り、6-3、6-4のストレート勝ち。大坂強しを世界中に知らしめる一戦になったと表現しても大げさではないだろう。
ただそんな大坂だが、会見中に涙して途中退席したセリーナについて、記者からの質問を受けて冒頭の名言のように話したという。強さと同居する優しさも、大坂の魅力である。
セリーナを下して迎えた決勝の相手は、ジェニファー・ブレイディ。昨夏の全米オープン準決勝ではフルセットの熱戦の末に勝利した相手だったが、今回の対決では6-4、6-2のストレート勝ちで2年ぶり2度目の全豪優勝を決めた。
表彰式でのインタビューではブレイディの健闘を称え、「私のチームに感謝したいです。ずっと一緒にやってきた仲間。隔離期間も一緒にやってきて、チームは家族同然なんです。このトロフィーはみんなのもの」と感謝を口にした大坂。4度目のグランドスラム制覇は、また1つ違う次元の強さを見せつけたと言えるだろう。
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。